株式会社 診断と治療社

診断と治療 最新号

  • わが国の内科総合誌のパイオニアで,数ある総合誌のなかでも抜群の安定性と評価を誇る.
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  • 増刊号も毎回シャープな切り口と実臨床に役立つ内容が大好評.
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雑誌「診断と治療」2022年 Vol.110 No.7 消化管疾患と感染の最前線

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掲載論文

ねらい  今枝博之

◆総論
消化管感染症の検査の進歩  樽本憲人
JAID/JSC感染症治療ガイド2019 腸管感染症の概要  坂本光男
腸内細菌叢と消化管感染症  内藤裕二

◆各論
食道疾患と感染症  小池智幸,他
Helicobacter pylori感染症と除菌療法  森 英毅,他
Helicobacter pylori感染症と胃癌  兒玉雅明,他
小腸内細菌増殖症(SIBO)の病態と治療  中島 淳,他
下部消化管疾患と感染  榊原亮哉,他
Clostridioides(Clostridium)difficile感染症診療ガイドラインの概要  山﨑行敬,他
ウイルス性消化管感染症  清水誠治,他
寄生虫による消化管感染症  藤田朋紀,他
結核,非結核性抗酸菌(NTM)による消化管感染症  大川清孝,他

◆トピックス
Helicobacter heilmannii(NHPH)感染と胃疾患  中村正彦,他
新型コロナウイルス感染症(COVID—19)の消化管感染  永原章仁,他
糞便移植療法の最近の話題  大宮直木

連 載
◎心電図は1枚の窓
ペースメーカを回避した徐脈頻脈症候群の78歳男性  筒井健太
◎医療裁判の現場から
入院中の患者に関する転倒・転落防止義務違反の有無が争われた事例  鵜澤亜紀子

ねらい

 元来,消化管には細菌叢が存在し,われわれはそれらの細菌叢と互いに共存しているが,その細菌叢のdysbiosisによって様々な疾患の原因や引き金,増悪因子となりうることが明らかとなってきております.口腔から消化管に細菌やウイルス,寄生虫,結核などが流入してくることにより様々な病態を引き起こし,急性の感染症から慢性の感染症,さらにはHelicobacter pylori(H. pylori)感染症のように胃MALTリンパ腫や胃癌といった発癌などにも関連してくることが明らかとなってきました.最近ではH. pylori保菌者の低下と除菌療法の普及により胃癌の死亡率は年々減少しておりますが,高齢者ではいまだに進行癌で発見されることもしばしばみられます.また,近年増加している大腸癌も口腔内細菌との関連が報告されています.
 一方で,抗菌薬の使用頻度の増加に伴い,腸内細菌叢のdysbiosisにより Clostridioides(Clostridium)difficile感染症の問題が注目されており,海外では重症例や難治例もみられ,わが国でもガイドラインも作成されております.腸内細菌叢を変える糞便移植による治療の有効性も報告され,重症例や難治例に対する治療として確立されてきており,炎症性腸疾患や機能性消化管疾患,さらには消化管疾患に限らず神経疾患などでも検討されております.また,近年は物流の進歩により海産物の生食もより広く普及したことからくる寄生虫感染も話題となっております.
 そこで本特集号では食道,胃,小腸,大腸といった消化管疾患と感染について,腸内細菌叢の最近のトピックスやCOVID-19に関する話題もまじえてわかりやすく解説していただきました.本特集が諸先生方の明日からの日常診療の一助となりましたら幸いに存じます.

埼玉医科大学消化管内科
今枝博之
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