株式会社 診断と治療社

診断と治療 最新号

  • わが国の内科総合誌のパイオニアで,数ある総合誌のなかでも抜群の安定性と評価を誇る.
  • 新進気鋭の編集委員を迎え,最新情報を盛り込み読みごたえ満点.連載企画も充実.
  • 増刊号も毎回シャープな切り口と実臨床に役立つ内容が大好評.
  • 2色刷のビジュアルな誌面で読みやすい.

雑誌「診断と治療」2022年 Vol.110 No.8 患者指導,医師のこの一言が患者を変える

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掲載論文

ねらい  柳元伸太郎

◆総論
疾病を引き起こす生活習慣  三浦克之
生活習慣病の発症・重症化予防に向けた栄養相談の実際  水野正巳,他
食事指導のポイント:重症患者・周術期患者栄養管理実施加算に関連して  深柄和彦
運動療法とリハビリテーション  井上真輔

◆疾患別指導
糖尿病  田村好史,他
本態性高血圧  河原崎和歌子
脂質異常症  寺本民生
高尿酸血症  鈴木奈都子,他
慢性腎臓病  上月正博
心不全  水川真理子
肥満―生活指導と精密医療へ向けた展望―  平池勇雄
便 秘  中島 淳,他
下 痢  我妻康平,他
睡眠障害,不眠症  平澤俊之,他
鉄欠乏性貧血  小松則夫
頭 痛  飯ヶ谷美峰
腰痛,肩こり,変形性膝関節症―外来指導ポイント―  松平 浩
サルコペニア,フレイル  荒井秀典
歯周病(歯周疾患)  有川量崇,他

◆生活習慣の指導
減 酒  湯本洋介,他
禁 煙  加濃正人,他
よりよい睡眠のために  瀧井 稔,他

連 載
◎心電図は1枚の窓
早朝に意識消失発作を起こした50歳男性  江里正弘
◎注目の新薬
ジャディアンス®(エンパグリフロジン)  室原豊明

ねらい

 一般内科外来診療では様々な慢性疾患の患者が定期的に通院している.患者は,ともすると医師も,通院の最大の目的が薬の処方という認識になってしまい,せっかく患者と医師が対面し意思疎通する機会を最大限活用できていないケースもあるのではないか.しかし,外来診療では診察はもとより,治療中の疾患に応じた検査,その結果の説明,薬の説明など,患者と医師のコミュニケーションがいろいろな場面で発生している.患者の体調や前回受診以降の服薬状況,その他の健康上の気になる点などを問診する際に患者の答えに対して一言,あるいは血圧測定,聴診などの診察を行えば,その結果に応じて一言,さらに血糖値やコレステロールなど血液検査を行えばその結果の伝達に加えて,その評価や対応について説明する際に一言など,医師が患者に言葉をかける場面はいくらでもある.
 これらの,医師が患者にかける言葉は単なる会話,世間話の域を超えて,最終的には,治療効果も期待される患者指導として重要な意味がある.疾患によっては投薬以外の要素が病状に大きく影響する場合もあることから,こうした患者指導は,ときに薬物療法以上の効果を表すことも期待される.患者とのコミュニケーションは,医学的な知見を一方的に伝えるだけではなく,患者が置かれている状況,疾患に共通する患者の悩みを踏まえた「一言」が患者には非常に大きな影響を与えうる.医師と患者の信頼関係の醸成,通院や治療への患者の前向きな参画をもたらすばかりでなく,実際に病状の改善につながることもある.
 本特集ではこうした視点から,いわゆる生活習慣病といわれる,患者の生活習慣への介入が治療の一部として有効と考えられる糖尿病,脂質異常症などの疾患のほか,不眠,便秘など外来診療で比較的多くみられる疾患・病態,そして喫煙や飲酒などしばしば患者指導で難渋するテーマも取り上げた.冒頭では全体にわたる総説,解説の項目を設けた.各論ではそれぞれの分野の専門の先生方には,単に病気についてまとめるということとは異なる視点から,患者とのコミュニケーションに必要な知識や効果的な「一言」について解説していただいた.読者の先生方にはぜひご一読いただき,患者に言葉をかける際の参考にしていただけると幸いである.

東京大学保健・健康推進本部
柳元伸太郎
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