株式会社 診断と治療社

診断と治療 最新号

  • わが国の内科総合誌のパイオニアで,数ある総合誌のなかでも抜群の安定性と評価を誇る.
  • 新進気鋭の編集委員を迎え,最新情報を盛り込み読みごたえ満点.連載企画も充実.
  • 増刊号も毎回シャープな切り口と実臨床に役立つ内容が大好評.
  • 2色刷のビジュアルな誌面で読みやすい.

雑誌「診断と治療」2022年 Vol.110 No.10 心血管病の治療薬・予防薬の進歩

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掲載論文

ねらい  森田啓行

◆薬物療法のエッセンス:病態別・疾患別の使いかた
急性心不全の薬物治療  赤澤康裕,他
慢性心不全の薬物治療  岩﨑慶一朗,他
肺高血圧症の薬物治療  瀬戸山航史,他
不整脈の薬物治療  藤本雄飛,他
高血圧の薬物治療  星出 聡
2型糖尿病の薬物治療  安藤清香,他
脂質代謝異常の薬物治療  多田隼人,他
抗血小板療法  中川義久
抗凝固療法  後藤信哉

◆注目薬の使いかた
ARB・ネプリライシン阻害薬(ARNI)による慢性心不全治療  中川 仁
SGLT2阻害薬による慢性心不全治療  沢見康輔,他
イバブラジンによる慢性心不全治療  筒井裕之
ベルイシグアトによる慢性心不全治療  柏木雄介,他
トルバプタンによる心不全治療  今村輝彦
ランジオロールによる頻脈性不整脈治療  山田慎哉,他
PCSK9阻害薬による高コレステロール血症治療  岡﨑啓明
フェブキソスタット,ドチヌラドによる高尿酸血症治療  谷口敦夫
タファミジスが有効なATTRアミロイドーシス治療  石塚光夫,他

連 載
心電図は1枚の窓
胸部不快感を主訴に受診した75歳男性  林 秀樹
注目の新薬
ケレンディア®錠(フィネレノン)  片山茂裕

ねらい

 心不全をはじめとする心血管病の治療薬としてきわめて多種類の薬剤が臨床使用されている.また,心血管病の多くは,高血圧症,糖尿病,脂質異常症,高尿酸血症などの生活習慣病を基礎に発症し,これらの生活習慣病を治療することによって心血管病の発症を予防することができる.すなわち,生活習慣病の治療薬は同時に,心血管病の予防薬ともいえる.日常診療において使用されることの多い,これらの心血管病の治療薬・予防薬に関して最新知見を把握し十分に理解を深めておくことは重要である.
 一例を挙げる.日本循環器学会/日本心不全学会合同ガイドライン「2021年JCS/JHFSガイドライン フォーカスアップデート版 急性・慢性心不全診療」において,「左室駆出率の低下した心不全(heart failure with reduced ejection fraction:HFrEF)」に対する標準治療がアップデートされている.これまでの3剤,ACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害薬あるいはARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬),β遮断薬,ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)に加えて,ARNI(アンジオテンシン受容体/ネプリライシン阻害薬)とSGLT2(ナトリウム・グルコース共輸送体2)阻害薬が新しく基本薬として加えられた.SGLT2阻害薬は腎臓近位尿細管SGLT2に作用して,糖の尿中排泄を促し,血糖を降下させる薬剤である.わが国でも2014年以降,糖尿病治療薬として臨床使用されてきたが,最近の大規模臨床試験により,心不全や慢性腎臓病に対してもSGLT2阻害薬の治療効果が証明され,適用が拡大されつつある.このSGLT2阻害薬は,よい治療薬に恵まれていない「左室駆出率の保たれた心不全(heart failure with preserved ejection fraction:HFpEF)」においても効果が示されるなど,今後,広い領域での使用がおおいに期待される注目の薬剤と考える.
 本特集「心血管病の治療薬・予防薬の進歩:最新薬物治療のエッセンス」では,心血管病の各病態・各疾患に対する薬物治療に関して,エキスパートの先生方に,基本的考えかた,これまでのエビデンスをわかりやすく解説いただき,さらに各薬剤の最新の使用法をコンパクトに紹介いただいた.本特集が,心血管病の治療薬・予防薬の進歩に対する理解を深める一助になれば幸いである.

東京大学大学院医学系研究科循環器内科学講座
森田啓行
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