株式会社 診断と治療社

診断と治療 最新号

  • わが国の内科総合誌のパイオニアで,数ある総合誌のなかでも抜群の安定性と評価を誇る.
  • 新進気鋭の編集委員を迎え,最新情報を盛り込み読みごたえ満点.連載企画も充実.
  • 増刊号も毎回シャープな切り口と実臨床に役立つ内容が大好評.
  • 2色刷のビジュアルな誌面で読みやすい.

雑誌「診断と治療」2022年 Vol.110 No.11 今おさえておきたい呼吸器診療

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掲載論文

ねらい  山口泰弘

◆症状別にみた呼吸器診療
息切れのみかた  小松 茂
長引く咳嗽のみかた  杉山公美弥
喀血のみかた  川島正裕,他

◆おさえておきたい呼吸器疾患の診断・治療
喘息の診断と評価  中込一之
喘息治療の進歩―吸入療法を中心に―  飯倉元保,他
重症喘息への対応―バイオ製剤も含めて―  山田英恵
COVID-19流行下のCOPD診断  山口泰弘
COPD薬物療法の進歩  石井正紀
COPD患者のフレイル対策  東本有司
間質性肺炎の初期診療  漆山博和
特発性肺線維症の治療 ―抗線維化薬の適応と効果,注意点―  津島健司
高齢者の肺炎診療のポイント  海老原孝枝
肺非結核性抗酸菌症の診療  田中 剛
COVID-19の診療  金澤晶雄,他
非専門医もおさえておきたい肺癌診療  椎原 淳

◆おさえておきたい呼吸管理とケア
在宅酸素療法の適応と注意点  茂木 孝
ハイフローセラピーの実際  永田一真,他
在宅でのNPPV管理  石原英樹
非がん性呼吸器疾患の緩和ケア  平原佐斗司

連 載
心電図は1枚の窓
繰り返す失神を主訴に受診した35歳男性  松浦朋美
医療裁判の現場から
救急外来担当の研修医が胸部不快感を訴える患者について
急性冠症候群の鑑別を怠ったとして損害賠償請求がなされた事例  太田善大

ねらい

 専門分野にかかわらず,多くの読者が日々の診療で呼吸器症状を呈する患者,呼吸器疾患をもつ患者の診療に従事していると推察される.本特集では,日常診療で呼吸器疾患をみるときに,しばしば疑問に思うことにこたえられる内容をめざした.最初に,「症状別にみた呼吸器診療」として,息切れ,咳嗽,喀血をとりあげた.息切れと咳嗽は,日常診療で最も多く遭遇する症状の1つと思われる.本特集の解説は,非専門の先生が手元において参照することができる内容であるし,専門の先生にとっても知識を整理し見落としを防ぐことに役立つと期待される.一方,喀血は,決して頻度は高くないが,生命を脅かす症状である.その初期評価から実際のインターベンションまで解説いただき,専門医にとっても非専門医にとっても読みごたえのある内容となっている.
 「おさえておきたい呼吸器疾患の診断・治療」と「おさえておきたい呼吸管理とケア」のパートは,本来なら,各稿だけでも1冊の本になるほどの大きなテーマである.しかし,非専門の読者が本特集を用いて呼吸器疾患診療のエッセンスを把握し日常診療に生かすためには,むしろ現実的な分量のように思われる.同時に,各稿で,最新の知見や各施設の実践例,症例がコンパクトに解説されていて,専門の読者にとっても勉強になる内容になっている.
 呼吸器疾患の多くは,診断や治療効果判定のためのシンプルな指標がないこともあってか,非専門の読者から何となく難しいと思われがちである.しかし,本特集でとりあげた喘息,慢性閉塞性肺疾患(COPD),間質性肺炎,肺炎,肺非結核性抗酸菌症,COVID-19,肺癌は,決してまれな疾患ではなく,これらの疾患の診断(疑いも含めて)から治療,終末期のケアまでのすべてを呼吸器専門医が担うわけではない.また,在宅酸素療法はもちろんのこと,ハイフローセラピーや非侵襲的陽圧換気(NPPV),緩和ケアは,進行した呼吸器疾患の患者が在宅でよりよく過ごすために,多くの読者に知っていただきたい呼吸管理とケアである.
 呼吸器症状をもつ患者が,よりよい治療とケアを受けられるように,地域全体で呼吸器疾患診療を支えなければならないと強く感じている.本特集がその一助になれば幸いである.

自治医科大学附属さいたま医療センター呼吸器内科
山口泰弘
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