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産科と婦人科 最新号

  • 臨床にすぐに役立つ知識や最新知見を毎号1テーマで特集.
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  • 増刊号は網羅的な構成で「手元にあると便利な1冊」として毎年好評.
  • 2色刷りのビジュアルな誌面でポイントが一目でわかりやすい.

雑誌「産科と婦人科」2022年 Vol.89 No.1 外陰疾患 AtoZ

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掲載論文

企画 寺内公一

Ⅰ.腫 瘍
 1 .外陰の腫瘍性病変―1)VINを含む外陰部扁平上皮癌 / 有吉和也
 2 .外陰の腫瘍性病変―2)外陰パジェット病・悪性黒色腫その他 / 水口剛雄

Ⅱ.感染症
 3 .外陰腟カンジダ症 / 吉村和晃
 4 .梅毒 / 村松正法・他
 5 .性器ヘルペス / 野口靖之・他
 6 .尖圭コンジローマ / 川名 敬
 7 .疥癬とケジラミ / 和田康夫・他

Ⅲ.非腫瘍性・非感染性疾患
 8 .扁平苔癬 / 塩原哲夫
 9 .硬化性萎縮性苔癬 / 青山裕美
10.外陰接触皮膚炎 / 宍戸菜穂美
11.急性外陰潰瘍・ベーチェット病の外陰病変 / 中村晃一郎
12.外陰腟萎縮 / 寺内公一
13.非感染性外陰部掻痒症 / 野田恒夫
14.外陰痛―心身医学的な疾患として― / 小川真里子・他

連 載
医療裁判の現場から 第30回
経口避妊薬内服中で高血圧を有する患者が肺塞栓により死亡した事案において,処方した医師の過失が認められた事例 / 秦 奈峰子

原 著
子宮体癌に対するロボット支援下傍大動脈リンパ節郭清術の有用性:開腹手術および腹腔鏡下手術との比較 / 馬淵誠士・他
当院におけるプラチナ感受性再発腫瘍に対するオラパリブ投与症例の検討 / 都築陽欧子・他

ねらい

 「目に見えるもの」は「目に見えないもの」に比べて,ややもすると軽く扱われることが多い.「見ゆるものは暫時にして,見えぬものは永遠に至るなり」と聖書にも記されている通りである(「コリント人への後の書」第4章18節).産婦人科医にとって外陰はある意味で最も「目に見えるもの」のはずであるが,われわれの関心の多くはそこを通り過ぎ,そのままでは目に見えない存在である子宮や卵巣へと吸い寄せられてしまう.しかしわれわれは,今一度外陰について考えるべきかもしれない.そこには実に多彩な疾患が集い,ときにわれわれを悩ませる.本特集号では腫瘍・感染症・その他の分野を横断するように,産婦人科・皮膚科のエキスパートの先生方に,単位疾患あたりの解説をお願いした.
 外陰の悪性腫瘍は子宮や卵巣に比べてまれかもしれないが,非腫瘍性疾患との鑑別がときに難しい.目に見えるはずのものを「見逃した」とされることを避けるためにも,その診断にはある程度習熟している必要がある.本特集号では外陰腫瘍の代表的な存在である「VINを含む外陰部扁平上皮癌」と,比較的まれな「外陰パジェット病・悪性黒色腫など」についての概説をお願いした.
 外陰はまた,最前線の防壁として機能するために,感染症の宝庫でもある.日常的に最も接する機会の多い「外陰腟カンジダ症」から,近年増加の著しい「梅毒」,診断・治療が日進月歩の「性器ヘルペス」,ワクチンが開発されるに至った「尖圭コンジローマ」,さらに「外陰ケジラミ症」と「疥癬」まで,改めて知識を整理できるよう概説をお願いした.
 最後に,診断に最も苦慮する非腫瘍性・非感染性疾患を列挙した.「扁平苔癬」「硬化性萎縮性苔癬」「外陰接触皮膚炎」のように,病態を理解することが重要である疾患群から,性器ヘルペスの鑑別として必ず名前が挙がる「ベーチェット病」「急性外陰潰瘍」,そして加齢現象と疾患との境界にある「外陰腟萎縮」,最後に病態に不明な点が多い「非感染性外陰部掻痒症」「外陰痛」などについて,概説をお願いした.
 「見れども見ず」ということのないように,若い先生方が本特集号で最新の知識を身につけ,外陰疾患を得意としていただければ幸いである.

(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科茨城県地域産科婦人科学講座 寺内公一)
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