株式会社 診断と治療社

産科と婦人科 最新号

  • 臨床にすぐに役立つ知識や最新知見を毎号1テーマで特集.
  • エキスパートによる解説が読み応え十分!
  • 増刊号は網羅的な構成で「手元にあると便利な1冊」として毎年好評.
  • 2色刷りのビジュアルな誌面でポイントが一目でわかりやすい.

雑誌「産科と婦人科」2022年 Vol.89 No.8 ここまで進んだ産婦人科関連の予防医学

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掲載論文

企画 宮城悦子

Ⅰ.腫 瘍
 1 .ワクチン時代の子宮頸がん・HPV関連がんの予防 / 江川長靖
 2 .遺伝性乳癌卵巣癌に対するリスク低減効果―1)予防的卵巣卵管切除術 / 金森 玲・他
 3 .遺伝性乳癌卵巣癌に対するリスク低減効果―2)リスク低減乳房切除術 / 中井克也・他
 4 .後腹膜リンパ節郭清術後の下肢リンパ浮腫予防 / 宇津木​久仁子
 5 .OC・LEPによるがん予防 / 森川香子・他

Ⅱ.女性医学
 6 .閉経期ホルモン療法による心血管疾患予防 / 寺内公一
 7 .医原性早発閉経患者の骨折予防 / 小川真里子・他

Ⅲ.生殖内分泌
 8 .腟断端から十分な距離をとった全層縫合での離開予防 / 吉越信一・他
 9 .婦人科手術における静脈血栓塞栓症,コンパートメント症候群の予防 / 志鎌あゆみ・他
10.子宮内膜症再発予防 / 高村将司・他

Ⅳ.周産期
11.薬物療法による自然早産予防 / 米田 哲・他
12.薬物療法による妊娠高血圧腎症予防 / 鈴木寛正・他
13.不育症患者の流産予防 / 佐藤善啓・他

症 例
重症妊娠高血圧腎症に対して緊急帝王切開術施行後,高ナトリウム血症をきたし中枢性尿崩症と診断された1例 / 向山文貴・他
骨格筋増加によって貯蔵鉄減少が生じたと推定される高校生女子陸上短距離選手についての考察 / 松田貴雄

ねらい

 本号では,腫瘍・女性医学・生殖内分泌・周産期の多岐にわたって,予防という観点から話題を集めました.「予防」に着目したのは,自分自身が婦人科腫瘍専門医として,進行子宮頸がんで苦しむ多くの患者をみていることから,子宮頸がん予防にはワクチンと検診という2つのモダリティがあることを,特に一般市民向けに情報発信してきたことがあります.さらに,新型コロナウイルス感染症の拡大の中,ワクチン以外の予防法については「手洗い」「うがい」「マスク」「消毒」「換気」など,基本中の基本に立ち返ること以外に有効な予防法がなかったことに,かなりショックを受けました.そして,欧米ではウイルス飛沫感染予防効果が疑問視されていた「マスク」の有効性が証明され,世界中の人々がマスクを着用した姿をメディアが映し出す中,予防医学・予防的医療について,基本を見直す姿勢の意義に気がつくこととなりました.
 日進月歩の産婦人科臨床の中には,これまでの知識がほとんど塗り替わっている分野が多々ある半面,従来から行われてきたことに新たなエビデンスが加わった項目もあります.薬物療法や手術療法の進歩により予防医学研究,予防的医療として産婦人科医が知識をもっておくべき内容も増えており,第一線にてご活躍中の先生に執筆をお願いしました.特に,患者のquality of lifeに直結するOC・LEPやHRTの副効用のエビデンス,手術合併症関連,周産期・不育症分野のトピックス,さらにがんの予防については国際的視野でのHPVワクチンによる疾病予防などを取り上げています.その中には,古くから産婦人科医師が先達より伝授され信じてきた医療に新たなエビデンスが加わっているもの,昔の常識は今の非常識ともいえる全く新しい概念の予防医学の話題も含まれております.すべての読者の皆様に興味をもって読んでいただければ幸いです.

(横浜市立大学医学部産婦人科学教室 宮城悦子)
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