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産科と婦人科 最新号

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  • 増刊号は網羅的な構成で「手元にあると便利な1冊」として毎年好評.
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雑誌「産科と婦人科」2022年 Vol.89 No.9 プロゲステロン・プロゲストーゲン・プロゲスチン−黄体ホルモンのすべて

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掲載論文

企画 寺内公一

Ⅰ.黄体ホルモンの基礎
 1 .黄体ホルモンの歴史 / 村田紘未・他
 2 .黄体ホルモンの分類 / 北脇 城
 3 .黄体ホルモンの分子機構 / 松尾光徳・他
 4 .黄体ホルモンの血管生物学 / 伊藤文武

Ⅱ.黄体ホルモンの臨床
 5 .黄体ホルモンと月経異常 / 樋口 毅
 6 .黄体ホルモンとメンタルヘルス / 小川真里子・他
 7 .黄体ホルモンとOC・LEP / 篠原康一
 8 .黄体ホルモンと緊急避妊 / 北村邦夫
 9 .黄体ホルモンと子宮内膜症 / 北島道夫
10.黄体ホルモンと生殖補助医療 / 岩佐 武・他
11.黄体ホルモンと早産 / 桑原慶充
12.黄体ホルモンと子宮内膜がん / 澤田健二郎
13.黄体ホルモンとHRT / 岡野浩哉

Ⅲ.新規黄体ホルモン系薬剤
14.天然型黄体ホルモンのHRTへの応用 / 寺内公一
15.選択的プロゲステロン受容体修飾薬(SPRM)の今後の展望 / 山口宗影・他

連 載
医療裁判の現場から 第34回
乳頭腺管がんと診断され,乳房全部摘出術を受けたが,多臓器転移し,最終的に死亡したとして,乳がん検診にて異常がないと診断されていたことにつき,損害賠償請求された事例 / 粟野公一郎

原 著
D&C手術における傍頸管ブロックの有用性について / 山内茂人・他

症 例
子宮頸癌治癒後の広汎な皮膚真菌感染症により腫瘍マーカーSCCが上昇した1例 / 清水綾乃・他

ねらい

 「黄体ホルモン」は産婦人科医にとってはあまりに馴染み深い存在である.
 生殖内分泌・周産期・腫瘍・女性医学すべての専門分野にわたって,日々これを測定し,あるいは薬剤として用いている.一方で身近過ぎるがゆえに,その構造や作用について深く思いを致すことは少ない.また臨床医になってからは,「黄体ホルモンとは何か」「どのように分類されるのか」「どのような機能をもつのか」等について体系的な教育を受ける機会は意外に少ないので,専門家として十分な経験を積んでいるはずの上級医でありながら,ややもすると「プロゲステロン」「プロゲストーゲン」「プロゲスチン」の使い分けすらあやしかったりする.
 このような思いから,黄体ホルモンについて改めて一から学び直すことができるようにと,本特集を企画した.最初に黄体ホルモンの「歴史」や「分類」,そして受容体を介する作用についての「分子機構」,血管機能への影響に関する「血管生物学」など,その道の達人に基礎的知見をまとめていただいた.次いで,産婦人科臨床の様々な局面における黄体ホルモンの意義について考えるために,「月経異常」「メンタルヘルス」「OC・LEP」「緊急避妊」「子宮内膜症」「生殖補助医療」「早産」「子宮内膜がん」「HRT」といったテーマを選択し,疾患に黄体ホルモンが与える影響と,治療薬としての黄体ホルモン薬の有効性について,エキスパートの先生方に実践的な解説をいただいた.最後に,新規黄体ホルモン系薬剤に関する話題として,「天然型黄体ホルモンのHRTへの応用」と「選択的プロゲステロン受容体修飾薬(SPRM)の今後の展望」という2つのトピックを取り上げた.
 この1冊で「黄体ホルモンのすべて」がわかる,といえば少し盛り過ぎなのだろうけれど,若い先生方には黄体ホルモンの世界の広さと深さを感じ取っていただき,またべテランの先生方には異なるサブスペシャリティにおける黄体ホルモンの現在についての知識をアップデートしていただきたいと願っている.本特集が,生涯学習が深化する起点となれば幸いである.

(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科茨城県地域産科婦人科学講座 寺内公一)
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