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小児科診療 最新号

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雑誌「小児科診療」2023年 Vol.86 No.4 知っておきたい小児炎症性腸疾患(IBD)

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掲載論文

序 文  /工藤孝広

Ⅰ.小児IBDの基本
IBDとは  /安田亮輔・他
IBDの病因  /細井賢二
小児IBDの疫学  /梶 恵美里

Ⅱ.小児IBDの症状
小児IBDの症状  /倉沢伸吾
小児IBDの重症度分類  /梅津守一郎

Ⅲ.小児IBDの検査
バイオマーカー(血液検査,便検査,尿検査)  /佐藤友紀
消化器内視鏡検査  /金井理紗
画像検査(内視鏡検査以外)  /神保圭佑
病理組織検査  /明本由衣

Ⅳ.小児IBDの診断
潰瘍性大腸炎の診断  /近藤健夫・他
Crohn病の診断  /萩原真一郎
IBD周辺疾患  /戸板成昭
IBDの鑑別  /角田文彦
IBDの合併症  /岩間 達

Ⅴ.小児IBDの治療
小児潰瘍性大腸炎の治療指針  /横山孝二
小児Crohn病の治療指針  /清水泰岳
小児IBDの外科治療  /井上幹大

Ⅵ.トピックス
超早期発症型IBD(VEO-IBD)と遺伝子解析  /南部隆亮
IBD診療における予防接種  /石毛 崇
IBDにおけるトランジション  /佐藤真教・他

症例報告
偶発的に発見した新生児の遅発性低カルシウム血症から,母体の副甲状腺機能亢進症の診断につながった一例  /桝井裕之・他

ねらい

工藤孝広  /順天堂大学医学部小児科学講座

 炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease:IBD)は寛解と再燃をくり返し腸管に慢性の炎症を呈する疾患であり,難病疾病に指定されているなかで最も患者数が多い疾患です.近年,IBDの患者数は増加の一途をたどっており,小児領域でも同様に患者数が増加しています.特に小児期発症のIBDでは成人より重症度が高く,罹患範囲も広範囲であるため治療に難渋することがあります.IBDは腸管粘膜の炎症や潰瘍についての評価を行うことが重要であることから内視鏡検査が診療に必須であり,消化器専門の小児科医を中心として検査・診断・治療について把握していることが多いだろうと考えられます.しかし,小児がIBDの初発症状として腹痛,下痢,血便を呈して病院を受診するのはかかりつけ医や地域の病院であろうと思います.症状,検査,鑑別疾患,診断,治療までの小児IBDについての詳細な情報があれば,腹痛や血便を呈する小児のなかにIBDという難病疾病が存在することに対して驚くことなく対応できると考えました.また,IBDをより広く知っていただくことで,必要な場合に早めの専門家への相談ができれば患者さんの予後を改善することにもなると考えます.
 本特集では,Ⅰ.IBDの概要,病因,疫学について,Ⅱ.IBDの症状や重症度分類について,Ⅲ.IBDの検査(バイオマーカー,内視鏡・病理検査,他の画像検査)について,Ⅳ.IBDの診断基準,鑑別すべき疾患,IBDの合併症について,Ⅴ.小児IBDの治療指針,外科治療について,Ⅵ.IBDのトピックスについてまとめました.小児IBDのトピックスとしては,小児期発症の典型としての超早期発症型IBDと遺伝子解析,IBD診療における予防接種,IBDにおけるトランジションについても掲載しております.小児IBDに対する徴候から検査,診断,治療まで網羅的に学ぶことができるため,本号を一読することで小児の腹痛や下痢,血便などの腹部症状に対する日常診療に役立つことを期待します.
 最後に,今回の特集号が充実した内容になりましたのは,多大な時間を要してご執筆いただいた多くの小児消化器疾患専門医の先生方からのご協力の賜物でございます.心より感謝申し上げます.
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