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小児科診療 最新号

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雑誌「小児科診療」2023年 Vol.86 No.5 研修医として今知りたい新生児の診療に必要な手技

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掲載論文

序 文  /北東 功


Ⅰ.基本的知識
新生児の解剖・生理を知る  /長 和俊
新生児の痛みを知る  /福原里恵
新生児の衛生を知る  /三輪雅之


Ⅱ.処置手技
動静脈採血・ルート確保  /岩見裕子
血管内カテーテル留置  /山口綾乃・他
栄養チューブ留置  /荒井美輝・他
採尿,尿道カテーテル留置  /内田優美子・他
胸腔・腹腔穿刺/カテーテル留置  /古田繁行・他
腰椎・脳室穿刺,脳室ドレナージ  /廣瀬あかね


Ⅲ.治療手技
新生児蘇生法(NCPR)  /熊谷 建・他
気道管理法  /吉本順子
サーファクタント投与法  /島 貴史・他
胎便排泄管理  /佐藤大祐・他
交換輸血,部分交換輸血  /芦名満理子・他
ECMO,血液浄化療法  /平川英司
腹膜透析  /澤田真理子

原 著
食物アレルギーにおいて食物除去解除が困難となる因子の検討  /武山 彩・他

症例報告
都市部でのタカサゴキララマダニ咬傷における重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の発症リスク判定
  /本間大器・他

ねらい

北東 功  /聖マリアンナ医科大学新生児科


 小児は成人のミニチュアではない,新生児は小児のミニチュアではない,といわれるように,小児期は年齢層によって,体のサイズはもちろんのこと,解剖学的・生理学的特徴も大きく異なっています.特に新生児では,成人と同じ手技であっても同じようにはできないものや,新生児の解剖学的特性から,逆に新生児期にしか実施できないような手技があります.そこで本特集では,上記の特徴を学んでもらったうえで,新生児で行う様々な手技について新生児医療のエキスパートの先生に適応から実施法まで詳しく解説していただくことにしました.
 まず基本的知識として,新生児の解剖学的・生理学的な特徴について解説をしていただきました.また,処置には痛みがつきものですが,抵抗できない新生児にとっては大変なストレスになります.新生児において身体的痛みの経験は発達に悪影響をきたすという報告が多数あります.そこで新生児の痛みの基本的なことと最新の知見をもとにした処置時の痛みの緩和法について,新生児は痛みを感じるのかという章を設けて解説をしています.皮膚が薄いことは新生児ならではの問題であり,使用する薬剤によっては容易に皮膚から吸収され悪影響をきたすことがあることを知る必要があると考え,もう一つの基本的知識として,処置を行う際の衛生法について解説を設けました.
 処置の手技としては,動静脈採血,末梢挿入中心静脈カテーテル挿入も含む血管内カテーテル留置,栄養チューブ留置,その他種々のカテーテル留置,胸腔・腹腔穿刺,髄液採取法について,治療の手技としては新生児蘇生法,気管挿管を含む気道管理法,サーファクタント投与法,胎便排泄管理,交換輸血,ECMO,血液浄化療法について解説しています.
 執筆者の先生には,各手技に必要な物品や実施の手順について写真や図を交えて解説していただいており,かつそれぞれの手技の難しい点や成功するためのコツ,合併症についても解説していただくようにお願いしました.“研修医として今知りたい”と書かれていますが,新生児で実施する処置を一通り網羅しているため,かなり高度で新生児科医でも実施することがほとんどない手技まで含まれており,将来,新生児医療を志す先生にはもちろん役に立つと思います.また,他分野の小児医療に携わるとしても,新生児に少しでもかかわる可能性がある先生にとっても活用していただけるような特集ができたと自負しています.
 新生児の手技は難しいし怖いと思っている研修医の先生もいらっしゃるかと思います.一朝一夕で上達することはないですが,この特集を読んで手技のコツなどを体得し日々実践していただけたら,嬉しく思います.
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