2089自閉症かな?と思ったとき
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22対称性を促すらの手ですか? 赤ちゃんが寝返りをうてるようになったら,左右どちらの方向へ寝返りをうつか観察しましょう.もし一方向にしか寝返りをうたないようならば,それはどちらの方向ですか? 赤ちゃんがハイハイするようになったら,身体の両側を均等に使っているか観察しましょう.もし均等に使えていないならば,どちらの足でハイハイし,どちらの足を引きずったり「踏ん張ったり」していますか? 赤ちゃんが歩きはじめて数週間経ったら,手足をうまく動かし,転倒することなく安定して歩けているか観察します.赤ちゃんが滑らかな動きで安定して歩くようになるには数週間かかる可能性があります.歩きはじめてから数週間が過ぎてもなお,もがいているようにみえる場合は,赤ちゃんがつねに同じ方向へ転倒しないか,どの程度の頻度で転倒するか記録しましょう. 赤ちゃんが左側にあるおもちゃを取り損ねる場合は,自閉症以外の問題があることを意味するかもしれません.その場合,視力に問題があるか,あるいは腕を伸ばせない可能性があります.もしこれらの行動がみられる場合(そして,とくにこれらの行動が数週間以上にわたって繰り返しおこる場合は),問題の根底にある原因を探索することが重要です. 赤ちゃんを観察しているときに,持続的な非対称性が一つ,またはそれ以上観察されたならば,赤ちゃんの弱い側(活動性の低い側)へ刺激を促す方法はたくさんあります.いますぐ行うことのできる簡単なステップを以下に示します.  活動性の低いほうの掌に触れて把握を引き出しましょう(図2-5).そして,これを1日に何度も繰り返しましょう.  赤ちゃんの前でおもちゃ(できれば,動くと音の鳴るおもちゃ)を動かしてみましょう.そうすれば赤ちゃんは,おもちゃをつかむために腕を伸ばさなければなりません.もし右腕を刺激したいならば,赤ちゃんの右側に立ち,右側のさまざまな位置におもちゃを動かしてみます.そうすれば,赤ちゃんはいろいろな方向に腕を動かします(図2-6).  生後7~8か月になったら,先ほどと同じおもちゃを使って,活動性の低いほうの腕を正中線を越えて反対側へ動かすようにしてみます(図2-7).

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