2089自閉症かな?と思ったとき
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寝返り5ACB定型発達児の寝返りは頭部が地面と垂直になり,両腕で胸部を支えた腹臥位をとります.47図5-2 定型発達児の寝返りの完成型初期の寝返り同様,寝返りの完成型も頭を回転させることから始まります.しかし成熟した寝返りの場合には,身体の回転が肩から始まり足へと進みます.回転し終えたときにはハイハイの準備が整ったバランスのよい姿勢になっています A : 定型発達児の寝返りは頭を傾け身体を回転させることから始まります B : 寝返りが成熟してくると回転が肩から始まり,身体の下方へと進んでいきます C : 回転し終えたときには,ハイハイができる姿勢をとっています臥位の姿勢では,回転を始めたほうの足が屈曲しており,ハイハイのときに赤ちゃんの体重を支えることができる位置におかれています(図5-1E). 成長とともに,寝返りはより成熟していきます.そして,頭を後方に傾けることで身体を回転するようになります.このとき,回転は足よりもむしろ肩から始まり,肩を身体の下へと回転させます(図5-2).そして,その他の構成要素(頭の動きと最終的な姿勢)とらせん状回転がともにおこるのが定型発達児の寝返りです. たいていの場合,生後10か月の赤ちゃんは仰向けから腹這いへとすぐに寝返りをうつことができます.しかし,専門家でなければ仰向けから腹這いへうつるときの一つ一つの動きを明確に把握することはできないかもしれません.なぜなら,その頃までにはすべての運動が統合され,滑らかで連続的な寝返りパターンを形成しているからです. 要約すると,寝返りは基本的に三つの構成要素からなっています.一つめは,頭を後方に傾けつつ,回転しようとする方向に身体を向ける運動です.二つめは,身体のらせん状回転です.そして三つめが,両腕で胸部を支え,頭は地面と垂直になり片足が屈曲した,すぐにハイハイへと移行できるような腹這いの姿勢です.

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