ACBDブリッジ寝返りによって赤ちゃんは仰臥位から腹臥位へと体位を変換できますが，腕で身体を支えることができない姿勢となるため，ハイハイへ移行できません．48問題のある寝返り A ： ブリッジ寝返りは寝返りをうつ方向とは反対の方向に赤ちゃんの頭が回転することから始まります．そして，視線は伸ばした手の方向に向いています B ： らせん状回転を使う代わりに，赤ちゃんは腹部を持ち上げ反り返って「ブリッジ」の形を作ります C ： 腕をてこのように用いて身体を回転させます D ： 寝返りしたあと赤ちゃんは身体を支える姿勢をとることができず，ハイハイへと移行できません 定型発達児がどうやって寝返りをうち腹臥位になるのか，理解していただけたと思います．しかし，必ずしもすべての赤ちゃんがこういった寝返りのスキルを獲得するわけではありません．上手に寝返りをうてない赤ちゃんは，前述した寝返りの三つの基本的構成要素のうち，少なくとも一つ，またはそれ以上の要素を習得できていません．仰臥位から腹臥位へ寝返りをうつとき，側臥位から動けなくなってしまう赤ちゃんがいます．また時には，まったく回転ができず，腹這いになるのを手助けしなくてはならないこともあります．また，寝返りをうつことができるようになったとしても，定型発達児とはまったく異なる方法で寝返りすることもあります． われわれは生後8か月の赤ちゃんがブリッジ寝返りという問題のある寝返りをしているのを発見しました．ブリッジ寝返りをする赤ちゃんが図5-3Aのような姿勢をとっていた場合，右側に回転しようとしています．仰向けに寝ている赤ちゃんは回転しようとする方向とは反対の左側に顔を向けています（図5-3A）．このとき，赤ちゃんの左腕が伸びていることに注意してください．足をらせん状に回転させる代わりに，お腹を反らせて持図5-3 ブリッジ寝返り
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