68問題のあるお座り図7-2 定型発達児のお座り生後6か月頃の定型発達児は親や枕による支えがなくても座ることのできる筋力と運動協調性を身につけます頭が身体についてくるようになります.そしてまもなくすると,ひきおこそうとする人に負荷をかけないよう,赤ちゃんは腹筋を使ってお座りのような姿勢を保とうとします. 生後4か月頃になると赤ちゃんの頭と首の筋肉は急激に強くなり,腹臥位では頭を持ち上げたままでいられるようになります.この頃になれば,親の膝のうえで長時間首がすわった状態を維持し,周囲を見渡すことができるようになるでしょう.続いて赤ちゃんは,腕を使って身体を支え,床から胸を離すことができるようになります.徐々に首や背中,お腹に筋力がつき,異なる筋肉を使う運動協調性が発達し,前庭系が成熟していきます. 完全に自立して座ることができるようになる前に,赤ちゃんは通常,腕を外側前方に突き出し,手を床に置いて座位を保持することを覚えます.支えなしで座位を保つのに必要なバランスを獲得するよりも前に,いわゆる三点支持をすることでひとり座りができるようになります.しかし,たとえ手の支えがある三点支持の状態であっても,枕などで安定を保たなければ赤ちゃんはどちらかに倒れやすいものです. バランス感覚が育ち十分安定して座ることができれば,赤ちゃんは手を膝に置き,支えなしで座ることができるようになります(図7-2).生後6~7か月で上体を直立できるようになった後,赤ちゃんは十分な筋力と運動協調性を身につけ,仰臥位から座位へと起き上がり,その姿勢を維持することができるようになります. 定型発達児がどのようにして臥位から座位になり,自分の手や枕や親の支えなくその姿勢を維持できるようになるかをみてきました.残念なが
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