ab(山田清文)マイクロカテーテル直線化のコツ大型・巨大動脈瘤において,マイクロカテーテルを遠位に誘導したのち,直線化するためには,下記のような方法を用いています.①十分に遠位に誘導し,ワイヤーを抜いて造影剤を満たす.②まずはゆっくりと引いてきて,先端が抜けてくるかどうかをみる.③抜けてくる場合には,ワイヤーを用いて再度遠位に誘導し,ワイヤーを抜去する.④次は素早く牽引する.⑤ それでも抜けてくる場合にはマイクロカテーテルにトルクを加えながらゆっくり牽引する.などです.これらでも直線化できない場合には,① バルーンカテーテルに入れ替えて遠位でインフレートし,ロングワイヤーで入れ替える.②ステントリトリーバーを挿入して展開し,これをアンカーにして直線化する.③ステントやフローダイバーターを展開して直線化する.などの方法があります.①は遠位血管の損傷リスクがありますし,②は保険適用外の手技になってしまいます.今後,カテーテルの直線化を目的としたデバイスが導入される可能性がありますが,現時点ではこれらの方法を知っておき,事前に準備しておくとよいでしょう.70図5 脳血管撮影a:術後DSA後期相にて動脈瘤内に造影剤が停滞していることが観察される.b:3D-DSAにて.FDは適切に留置されていることがわかる.Dr.吉村のワンポイントアドバイスDr.吉村のワンポイントアドバイス
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