2561不随意運動の診断と治療 改訂第3版
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大脳皮質1構  造a1.外  観 ヒトの大脳は,大脳縦裂により左右の大脳半球に分かれている.大脳半球は4つの葉に大別され,頭蓋内での位置からそれぞれ前頭葉,側頭葉,頭頂葉,後頭葉とよばれる.5番目の脳葉として島を加える場合もある.大脳皮質の表面は溝により互いに隔てられた回を形成する.大脳皮質は著明に発達した結果,皮質の約1/3しか表面には存在せず,残りの2/3は脳溝のなかに隠れている.外側溝(Sylvius溝)が,側頭葉を前頭葉と頭頂葉から分け,この脳溝の深部に島が隠れている.中心溝は前頭葉と頭頂葉を隔てる.これは一次運動野のある中心前回と一次体性感覚野のある中心後回の境界でもあり,大脳皮質機能を考えるうえで重要である.表面からはみえないが,大脳半球内側面で頭頂後頭溝と鳥距溝により後頭葉が,頭頂葉と側頭葉から分離されている. また,Brodmannは組織解剖学的に,皮質全体の厚さ,個々の層の厚さや密度,細胞・線維の配列や数の違いによって,大脳皮質を47領野に分けた.さらに大脳皮質の溝と回には,それぞれ名称がついている.Brodmannの領野番号と,溝と回の名称は,大脳皮質の機能局在とその機能連関を考え,正確に場所を指し示すのに同等に重要で頻繁に用いられている.図1大脳外側面における脳溝と脳回上前頭溝中前頭溝下前頭溝外套角中心前溝中心溝中心後溝頭頂後頭溝上頭頂小葉下頭頂小葉縁上回角回上側頭回中側頭回下側頭回中側頭溝後頭前切痕月状溝上側頭溝外側溝側頭弁蓋前頭頭頂弁蓋前頭弁蓋上前頭回中前頭回下前頭回中心前回中心後回2運動制御のメカニズム第1章

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