2589こどもの呼吸のコモンなギモンに答える本
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理学療法&ポジショニングQ366ab5図  鼻腔吸引の際の固定法役立ち度★★☆・Guérin C, et al.:Intensive Care Med 2018;44:22-37[PMID:29218379]・ Bhandari AP, et al.:Cochrane Database Syst Rev 2022;6(6):CD003645[PMID:35661343]・池田貴夫,他:INTENSIVIST 2022;12:37-46[DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200707]乳幼児において腹臥位が落ち着く体位か否かは明らかではないが,新生児では腹臥位によってバイタルサインが落ち着くという複数の報告があり,臨床現場では(新生児ほど確実ではないにしろ)乳幼児においても腹臥位で安静を得られることは経験する.仰臥位と比較して,腹臥位のほうが酸素化を改善するという複数の報告がある.これは,背側肺の圧迫の解除などにより肺胞含気の均一化と肺コンプライアンスの改善をもたらすこと,体位によらず肺血流は背側優位であるため,腹臥位換気血流比が改善し酸素化が改善することが一因と考えられている.このため,少なくとも呼吸状態のよくない乳幼児においては,児の状態に応じて腹臥位を試す意義はあると考える.一方,乳幼児では,腹臥位は乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクとされるため,腹臥位の際は慎重な観察とモニタリングを必要とする.a:児を臥位にしての固定法,b:児を膝上に座らせての固定法参考文献279乳幼児にとって腹臥位は落ち着くものなのか?呼吸に関係するのか?

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