気管支炎,肺炎(百日咳・COVID呼吸器感染症12―Q018Q019役立ち度★☆☆重要度★★★マイコプラズマ肺炎に対するステロイド全身投与は有効か?19・結核)1) Sun L-L, et al.:Pediatr Infect Dis J 2020;39:177-183[PMID:31738328]2) Luo Z, et al.:Pediatr Pulmonol 2014;49:377-380[PMID:23401275]3) Oishi T, et al.:J Infect Chemother 2011;17:803-806[PMID:21681500]4) Miyashita N, et al.:J Infect Chemother 2015;21:153-160[PMID:25533771]マイコプラズマ肺炎に対するステロイド全身投与について,RCTをもとにしたメタ解析1)によると,重症マイコプラズマ肺炎 (全身状態不良,SpO2<92%,努力呼吸など)に対し抗菌薬投与や全身管理を施行したうえで,低用量 (1~3mg/kg/日) のメチルプレドニゾロン (mPSL)を用いた群と高用量 (10~30 mg/kg/日)のmPLSを用いた群を解析したところ,高用量mPSL群では入院期間の短縮,症状持続時間の軽減,胸部X線写真の陰影消失時間が短縮したと報告されている.他の研究では,アジスロマイシン (AZM) 不応のマイコプラズマ肺炎において,AZM 10 mg/kg/日に加えてプレドニゾロン2mg/kg/日を5日間投与すると,AZM単独群に比較して,有熱期間の短縮,低酸素血症の改善,胸部X線写真の陰影消失時間が短縮したとの報告がある2).一方,ステロイド投与基準をLDH高値,interleukin (IL)-18高値,発熱持続などと設定している報告3,4)もあるが,投与量やタイミング,期間などについての基準は定まっていない.以上のことから,重症マイコプラズマ肺炎へのステロイド投与は有効な可能性もあるが,今後さらに詳細な検討を重ね,投与すべき症状やタイミング,投与期間など,一定の基準を設定する必要があると考えられる.小児の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は軽症例が多く,治療の必要な呼吸器症状に関する報告や大規模研究は,成人に比較して少ないのが実情である.SARS-CoV-2のRNAポリメラーゼを阻害することで抗ウイルス作16文献小児のCOVID-19の呼吸器症状に有効な治療は?
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