2589こどもの呼吸のコモンなギモンに答える本
4/12

気管支喘息*持続時間:呼吸機能がピークと同等に維持される時間.複数の限られたデータに基づいており,めやすと考えていただきたい.〔各薬剤の添付文書や論文などをもとに筆者作成〕Q058β1<β2β1<β2β1<β2β1<β2β1<β2SABASABASABASABASABASABALABALABA2重要度★★☆ 難易度★★☆気管支拡張薬としてのβ2刺激薬は数多くあるが( 表 ),おのおのの比較データは限られている.①β選択性,②作用持続時間(長時間作用性:LABA,短時間作用性:SABA),③投与経路(内服,吸入,静注,貼付薬)の違いや,患者側の要因として,④適切な吸入手技や,⑤β受容体の遺伝子多型1),などが効果に関連する.発作時に用いるのは吸入薬のみである.代表的なSABAのサルブタモールとプロカテロールは,RCTを含む複数の報告で臨床的効果は同等とされ2),気管支拡張作用のピークは10~15分,持続時間は2~3時間である.サルブタモールのR-異性体であるLevalbuterolは,小児の救急外来においてサルブタモールよりも臨床症状を優位に改善し,副作用も少なかったという報告がある3).SABAの脂溶性を高め作用時間を延長させたLABAは,効果発現時間はSABAと同等である.近年,急性期および長期管理薬として,ICSとの合剤(LABA/ICS)を用いることで良好48薬品名おもな商品名ボスミン®アドレナリンイソプレナリンプロタノール®ベネトリン®,サルブタモールアルブテロールサルタノール®プロカテロールメプチン®フェノテロールベロテック®ツロブテロールホクナリン®ホルモテロールシムビコート®サルメテロールアドエア®,セレベント®表  代表的なβ2刺激薬作用時間型持続時間*選択性α,β1,β2β1,β2β1<β2投与経路注射<1注射<1内服 6吸入 2~3内服 6吸入 2~3吸入 88<12<12<注射,吸入注射,内服,吸入注射,内服,吸入注射,内服,吸入内服,吸入内服,貼付内服,吸入吸入気管支喘息発作時の気管支拡張薬(β2刺激薬)の種類による効果の違いはあるか?

元のページ  ../index.html#4

このブックを見る