11呼吸数を正しく捉えるQ110Q1111）MarcdanteKJ,etal.（eds）：RespiratorySystemAssessment.In：NelsonEssentialsofPediatrics,9thed,Elsevier,2023：527-5332）McGrathJL,etal.：VitalSignsMeasurement.In：RobertsJR,etal.（eds）,RobertsandHedges’ClinicalProceduresinEmergencyMedicineandAcuteCare,7thed,Elsevier,2017；1-223）CheifetzIM,etal.：Respiratorymonitoring.In：ShaffnerDH,etal.（ed）,Rogers’TextbookofPediatricIntensiveCare,5thed,WoltersKluwer,2015；686-7094）CloutierMM,etal.：ControlofRespiration.In：LevyMN,etal.（eds）,BerneandLevyPhysiology,6thed,Elsevier,2010；468-4761）CloutierMM,etal.：ControlofRespiration.In：LevyMN,etal.（eds）,BerneandLevyPhysiology,6thed,Elsevier,2010；468-476ヒトの呼吸は，延髄や頸動脈末梢の化学受容体から得られたpH，PaCO2，PaO2の3つの主因子で調節されている．また，これらの因子に加えて，胸郭・気道・咽頭・肺実質の受容体や，情動や痛み刺激など上位中枢や脊髄からの出力を受けることで，呼吸調節が修飾される．よって，pH・PaO2の低下，あるいはPaCO2の上昇がある場合に，呼吸数や1回換気量を増やすこと（多呼吸）によって体内の恒常性を維持する．このような状態をきたす病態としては，低酸素や換気障害をきたす呼吸器疾患や心不全，代謝性アシドーシスなどが相当する．また，気道や肺実質にある化学受容体からのフィードバックのみでも呼吸数が増加することがある．肺炎などでは，局所の炎症や浮腫が肺実質のJ受容体（juxta-alveolar receptors）を刺激し，低酸素血症がなくても多呼吸を呈することがある1）．初期の肺炎では多呼吸が唯一の異常所見の場合があり，注意が必要である．頻呼吸は，努力呼吸を伴うか否かで2つに分類される．努力呼吸を伴う頻呼吸（おもに呼吸器疾患が原因となる場合が多い）は緊急性が高く，迅身身体体所所見見かからら考考ええるる89文献文献重要度★★☆役立ち度★★★多呼吸はどういうときに，どのような機序からみられるのか？観察のみでよい頻呼吸はあるのか？
元のページ ../index.html#7