2603運動器の身体診察×エコー超入門
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ab C運動器エコーの正常像と異常像の基本Part 1総論 ―運動器における身体診察×エコーの基礎―図1 前距腓靱帯 (左側が腓骨,右側が距骨)図2前距腓靱帯(異方性による描出不良例)53 靱帯は関節内靱帯,関節外靱帯を問わず骨と骨を連結している組織である.コラーゲンと弾性線維の両方を含む結合組織で構成される丈夫な線維性の束であり,エコー長軸像はfibrillar(線維性の)patternとよばれる層状のエコー像を示す.前距腓靱帯の長軸像を図1に示す.また,エコーのビームが組織に対して正面から直角にあたっていないと散乱が多くおこり,組織が黒く抜けたように見えてしまうことを anisotrophy(異方性)といいアーチファクトの一種であり,組織の断裂と間違えないよう注意が必要である(図2). 実際のプローブの当て方を図3に示す ■). 新鮮の靱帯損傷では,エコーでの靱帯成分のfibrillar patternの異常を認め,靱帯の肥厚(図4)や血腫も確認できる.また,ストレステストによる動態評価では靱帯損傷部の開大や関節内外に液体(血液や関節液)が行き来する様子が観察できる(図5,図6・動画1).正常像新鮮損傷●❷ 靱帯

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