+csDMARD注3[bDMARD(non-TNFi>TNFi)or[bDMARD or JAKi]注5+MTX ± csDMARD注3[bDMARD or JAKi]の変更注6治療目標達成・維持,関節破壊進行抑制,身体機能維持薬物の減量を考慮太い矢印は“強い推奨”,細い矢印は“弱い推奨”であることを示す.点線矢印( )はエキスパートオピニオンであることを示す.性腫瘍,心血管イベント,血栓イベントのリスク因子を考慮する.1.治療方針注2:禁忌事項のほかに,年齢,腎機能,肺合併症などを考慮して決定する.注3:MTX以外のcsDMARDを指す.注4:皮下注射投与は,内服よりも優れた有効性と同等以上の安全性が期待されるが,コスト面からMTX未投与患者ではまず内服を優先する.注5: 短期的治療ではTNF阻害薬とJAK阻害薬の有用性はほぼ同等だが,長期安全性,医療経済の観点からbDMARDを優先する.JAK阻害薬使用時には,悪注6:TNF阻害薬で効果不十分な場合は,他のTNF阻害薬よりも非TNF阻害薬への切り替えを優先する.注7:疾患活動性が低下しても骨びらんの進行がある患者,特にRF/ACPA陽性患者で使用を考慮する.注8:疼痛緩和目的に必要最小量で短期間が望ましい.注9: 早期かつcsDMARD使用RAに必要最小量を投与し,可能な限り短期間(数か月以内)で漸減中止する.再燃時などに使用する場合も同様である.RA:関節リウマチ,MTX:メトトレキサート,csDMARD:従来型合成疾患修飾(性)抗リウマチ薬,bDMARD:生物学的疾患修飾(性)抗リウマチ薬,JAKi:ヤヌスキナーゼ阻害薬,TNFi:TNF阻害薬,RANKL:receptor activator of NF-κB ligand,NSAID:非ステロイド抗炎症薬RAと診断MTXを考慮注2MTX注4MTX併用MTX併用2014年版診療ガイドラインと異なり,NSAIDに加えて副腎皮質ステロイド(以下,ステロイド)(経口や筋肉注射などによる全身投与),抗RANKL抗体はすべて補助的治療と位置づけた.ステロイドは,早期のRA患者で少量短期間の使用にとどめ(RA推奨8,37),減量後,フェーズⅠ期間内に可能な限り中止する.ステロイドの関節内投与は非薬物治療・外科的治療治療目標非達成治療目標非達成阻害薬への変更を検討する.このとき,TNF阻害薬で効果不十分な場合は非TNF阻害薬への切り替えを優先するが(RA推奨15),その他の薬剤については,どの薬剤への変更が適切であるかのエビデンスは不足しているため推奨は作成しておらず,future questionとして次のガイドラインでアップデート予定とした.治療目標達成・維持,関節破壊進行抑制,身体機能維持ができた場合に,薬物の減量を考慮する.フェーズⅠよりのMTXを含むcsDMARDの減量は推奨には含まれていないが,実臨床ではこれらの薬剤を減量可能な症例も存在する.エビデンスによる推奨は今後の課題として,今回のアルゴリズムではエキスパートオピニオンとした.補助的治療フェーズ Ⅰ注1フェーズ Ⅱ注1フェーズ Ⅲ注1図1 関節リウマチ診療ガイドライン2024改訂 薬物治療アルゴリズム注1: 原則として6か月以内に治療目標である「臨床的寛解もしくは低疾患活動性」が達成できない場合には,次のフェーズに進む.治療開始後3か月で改善がみられなければ治療を見直し,RF/ACPA陽性(特に高力価陽性)や早期からの骨びらんを有する症例は関節破壊が進みやすいため,より積極的な治療を考慮する.推奨され(RA推奨2),MTX使用がむずかしいもしくは不可の場合,MTX以外のcsDMARDを使用する(RA推奨5).また,MTX単剤使用で効果が不十分な場合は,他のcsDMARDを追加して併用療法を検討する(RA推奨3).欧米で使用されていないわが国独自のcsDMARDとして,BUC,IGU,TACなどがあり,併用で治療効果の増強が期待できる.フェーズⅠで治療目標非達成の場合,フェーズⅡに進む.フェーズⅡでは,MTX併用・非併用のいずれの場合もbDMARDまたはJAK阻害薬の使用を検討するが,長期安全性,医療経済の観点からbDMARDの使用を考慮する(RA推奨27).MTX非併用の場合はbDMARDでは非TNF阻害薬をTNF阻害薬より優先するが,この場合の非TNF阻害薬はIL-6阻害薬を意味する(RA推奨14).また,MTX非併用の場合,bDMARDまたはJAK阻害薬の単剤療法も考慮できる(RA推奨11,12,20,24).フェーズⅡで治療目標非達成の場合はさらにフェーズⅢに進む.フェーズⅡでbDMARDまたはJAK阻害薬を使用しても効果不十分である場合,フェーズⅢでは他のbDMARDまたはJAKMTX csDMARD注3MTX非併用JAKi]注5 ± csDMARD注3MTX非併用注9副腎皮質ステロイド注8NSAID注7抗RANKL抗体17
元のページ ../index.html#3