*1 心筋細胞内でCaイオンの出納を担っている小器官.肝肺Chapter 1 健康な乳幼児の発育・発達図1 胎児循環新生児期から乳幼児期にかけては,心筋の収縮に関する特性も変化します.新生児期の未熟な心筋では細胞内でCaイオンの処理をつかさどる小胞体*1が未発達です.こうしたCaイオン制御機構の未熟性は単位重量当たりの心筋で発生する張力にとって非常に不利です.低出生体重児などでショック状態があると,ドパミンなどのカテコラミン系の薬剤が使用されることがありますが,生直後は子どもの血中カテコラミン濃度は高く,心拍出量の予備能は低い,さらにカテコラミン系の薬剤上大静脈肝静脈静脈管門脈臍静脈下大静脈脳を含めた上半身には酸素飽和度65〜70%の血液が,下半身には55〜60%の血液が供給されることになる.胎盤循環消失静脈管閉鎖動脈管閉鎖肺血管抵抗出生日齢1図2 出生後の胎児循環の変化卵円孔右房左房右室左室動脈管日齢2肺静脈肺動脈大動脈2〜6週34
元のページ ../index.html#3