2658子どもの発育・発達と乳幼児健診
6/8

4 交通事故・自転車9事故予防 子どもの死因の第1位は「不慮の事故」 子どもの特性を知って事故を予防する 自転車に乗るときはルールを守って206Chapter 3▲▲育児支援厚生労働省の死因統計によると,「不慮の事故」が1〜4歳では2位,5〜9歳未満では1位となっています1).不慮の事故の原因は,乳児では窒息,1〜4歳では交通事故・窒息・溺水,5〜14歳では交通事故,溺水の順で多いという報告があります2).交通事故死者数をみると,未就学児では「歩行中」が最も多く,次いで「自動車乗車中」です.小学生でも「歩行中」の事故が半数を占め,次いで「自転車乗用中」が3割となっています3).子どもは何かに興味を惹かれると,そこに意識が集中して周囲が見えなくなり,突然走り出したり,飛び出したりします.一人で歩けるようになったら,道路では保護者と手をつないで歩くことを習慣にするよう伝えましょう.子どもの視野は大人に比べて狭いという特徴があります.水平方向の視野は成人が150°であるのに対し幼児(6歳)は60°です.幼児では,車道を走る車が相当近くに来ないと視野に入らないことを意味します.自転車は道路交通法上「軽車両」に位置づけられ,原則的には車道を走らなくてはなりません.ただし,13歳未満の子どもが運転する場合は歩道を走ることができます.これまでも子ども乗せ自転車や子どもが単独で自転車に乗るときには,子どもにはヘルメットを着用させることが推奨されてきましたが,2023(令和5)年4月からはすべての自転車利用者がヘルメットを着用することが推奨されるようになりました.子ども乗せ自転車で2人乗りもしくは3人乗りできるのは,未就学児の場合のみです.3人乗りする場合は「幼児2人同乗用自転車」を使う必要があります.一般的な自転車の前後に幼児用座席を取りつけて3人乗りすることはできません.また子ども1人を背負った場合,チャイルドシートで乗せられる子どもは1名のみです.抱っこは認められていません.

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る