2659新子ども救急手技マニュアル
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表2 実施中のプレパレーション表3 実施後のプレパレーション・ 点滴をする人,介助する人,子どもを励ます人など役割を明確にし,子どもを励ます人はその役に徹し,笑顔で優しい声掛けをする(痛いことをする人が笑顔で優しい言葉がけをすると,子どもは混乱してしまう).2蘇生処置・ 子どもが処置の直前で質問したり「やりたくない」「待って」などと言い出したりすることがある.子どもはこうした行動を通して,処置の見通しをつけたり,自分で覚悟を固めて行ったりしている.図5 腕の押さえ方乳児でも幼児でも,肩関節や肘関節を押さえると動きをある程度抑制することができる.a:乳児.肩関節と肘関節を一緒に押さえることで動かないようになる.b:幼児期後期.説明をし「動かないで頑張れそう」な場合でもあっても,針を刺した際,そのときの痛さと驚きで腕を引っ込めることがある.その予防のため,一部の関節部分は押さえる.49年齢乳幼児~幼児前期・点滴をする人,介助する人は早く安全に実施できるようにする.・可能な場合は保護者に同席してもらう.・ 処置の流れを1つ1つ説明し,子どもがとるべき行動,「動かないでね」「もう少し我慢だよ」ということを伝えると子どもが先の見通しを立てることができる.幼児後期~学童期・「できそうになったら言ってね」「刺すときは言うよ,いくよ1・2・3」.・ そのような場合,子どもの気持ちを受け止め待つことに応じると,子どもは覚悟を決めて処置に臨むことができる.頑張る力を引き出すことはできない.・子どもがとっている行動を具体的にあげて,上手にできていることを褒める.年齢乳幼児~幼児前期・全ての動作が終了した時点で処置の終わりを告げる.・もうこれ以上何もしないことを理解させることが大切.・「痛かったね」「がんばったね」など子どもの体験を言葉にして表現し共感する.・家族と接することで安心感を得ることができるので,処置のあとは家族の時間を作る.・頑張りを認め自己肯定感を高める.・ 「がんばった」「できた」という達成感を積み重ね子どもは自信を獲得していく.子どもの幼児後期~学童期頑張りを評価することで,子どものやる気を強化することができる.・家族に本人が頑張ったことを伝え,家族にも褒めてもらうことも大切.・ 一方的に「頑張れ」と励ますことは,子どもの体験を共有しているとは言えず,子どもの方法方法abA 末梢静脈路確保(三浦英代)

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