④ 体重の減少 神経・精神症状① 気分変調,イライラ40甲状腺中毒症では食欲が亢進するにもかかわらず,代謝の亢進により体重は減少する.アンケートによる体重減少の出現頻度は,甲状腺中毒症で44~57%(機能低下症で15~26%,機能正常では11~23%)であった.機能正常と対比したROC解析ではAUC=0.713と,予測性能はfairと評価された.急激な体重減少から執拗な消化管精査などの全身検索が行われることがある.⑤ 体重の増加甲状腺機能低下症では食欲が減退するにもかかわらず,代謝の低下により体重は増加する.アンケートによる体重増加の出現頻度は,甲状腺機能低下症で27~41%(中毒症で12~22%,機能正常では20~35%)であった.中毒症では食欲が亢進するため,代謝亢進以上に食べ過ぎると当然体重は増加する.甲状腺中毒症では躁状態や易怒性となる.アンケートによるイライラ感の出現頻度は,中毒症で31~58%(機能低下症で22~43%,機能正常では19~43%)であった.小児バセドウ病では落ち着きがなくなり,注意欠如・多動症(Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder:ADHD)状態となる.甲状腺機能低下症では気持ちが塞ぎ,うつ状態になる.アンケートによる② うつ
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