トルバプタン治療への道のり―薬の説明から導入までPart6 図1 塩分摂取が増えると水分摂取も増えるバソプレシントルバプタンバソプレシン図2 塩分摂取が増えて水分摂取が足りないと,バソプレシン分泌が増える93トルバプタンを服用した場合には,より大きな意味があります.トルバプタンを服用すると,塩分摂取量にかかわらず尿量が増えるので,体液量が減少しないように,尿量を補うだけの水分を摂取する必要があります.それに加えて塩分摂取量が多くなると,血液浸透圧が上昇し,口渇は高度になり,余計に水分摂取が促されることになります.図1のように,梅干し1個より2個のほうが,水分摂取量が増えることを例としてあげると,理解してもらえると思います.そこで水分摂取が十分でないと,循環血漿量の減少,血液浸透圧の上昇を招き,バソプレシンの分泌が促進され,トルバプタンの効果を減弱することになります(図2).水分摂取も塩分制限も,すぐにできるものではありません.入院するまでにこれらの習慣づけができると,よりスムーズな導入ができます.POINT17において,塩分制限が必要な理由について述べました.それと同様ですが,塩分摂取を控えめにする梅干しが2個の場合V2受容体塩分摂取が多く,水分摂取が少ない場合
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