AAA 第Ⅲ部◦小児の皮膚科Q&A(帆足俊彦) 石灰化上皮腫は皮下に生じる腫瘍です.つまり,表面の皮膚とは癒着しておらず,皮膚の下で動かすことができます.一方,表皮囊腫は皮膚から連続的に皮内,皮下へと広がる腫瘍です.したがって,皮膚とくっついています.ただし,炎症を起こして腫れている場合は周囲組織と癒着を起こすので判断が難しくなります.また,腫瘍が非常に小さい場合も区別が難しくなります. いずれも自然軽快しないので,切除したほうがよいと思います.何度も炎症を繰り返したり,腫瘍が皮膚を穿破していたりする場合は,早めの切除をお勧めします.一方,特に自覚症状がなく,大きさにあまり変化がなければ,切除時期はいつでも構わないと考えます. 若年性黄色肉芽腫と伝染性軟属腫を見た目で鑑別するのは困難なケースが多いです.鑑別方法としては,①周囲の感染状況(同胞や学校等),②皮疹を1つ鑷子で摘んで摘除できるか(摘除できたら伝染性軟属腫),③モルスクム反応(伝染性軟属腫特有の丘よいですか?よいですか?どのように行えばよいですか?368Q124石灰化上皮腫と表皮囊腫の鑑別はどのようにすればQ125石灰化上皮腫や表皮囊腫は手術したほうがQ126若年性黄色肉芽腫と伝染性軟属腫(水いぼ)の鑑別は若年性黄色肉芽腫・ランゲルハンス細胞組織球症56石灰化上皮腫・表皮囊腫(粉瘤)57
元のページ ../index.html#20