2671やさしい小児の皮膚科
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AA 第Ⅲ部◦小児の皮膚科Q&A56 皮膚肥満細胞症(玉城善史郎/須永真司)疹周囲の炎症・湿疹)がみられるかの3点からある程度の鑑別が可能です.ただし,複数の疾患が併存する場合は,一つひとつの丘疹について鑑別するのは困難なことが多いです.  LCHは稀な疾患ですが,他臓器にも様々な症状を呈し,時に致死的となることがあるため,決して見逃してはならない疾患です.基本的に2歳ぐらいまでの乳幼児にみられることが多く,ぱっと見の印象は湿疹や脂漏性湿疹に類似していることが多いです.そのため,湿疹に著効するステロイドやタクロリムスなどの外用薬でも症状が全く改善しない場合には,LCHも念頭に置いて早めに皮膚科専門医へ紹介したほうがよいでしょう.  ダーモスコピーでは,カフェオレ斑の場合,均一な淡い褐色斑のなかに毛根に一致して,白く抜けた所見が散在してみられます.一方,斑状丘疹状肥満細胞症の場合,①light-brown blotは淡褐色のびまん性の点によって構成され,②pigment networkはメラノサイト系の病変で観察されるものと同様な細かい褐色の網状線を呈し,③reticular vascular patternは軽度の紅斑上に網状毛細血管拡張とまばらな血管で構成され,様々な所見を認めます.区別できない場合,軽く刺激を加えて,ダリエ徴候(Darier sign)の有無を確認します.(LCH)を疑えばよいですか?369Q127どのようなときにランゲルハンス細胞組織球症Q128カフェオレ斑と斑状丘疹状肥満細胞症の違いは?58皮膚肥満細胞症

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