2674リハビリテーションに役立つ画像の見かたガイド
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を認める.166神経鞘腫は神経の髄鞘から発生する腫瘍であり,12 脳神経や末梢神経に発生しうるが,約 9割が聴神経に発生するため,ここでは代表的な聴神経鞘腫に関して述べる.頭部 CT で内耳道(骨)の拡大が特徴である(図 1-A).同部位には髄膜腫が発生することもあるが,内耳道内に腫瘍がないことから拡大はしない.造影 MRI で小脳橋角部~内耳道にかけて不均一に造影される聴神経鞘腫を認める(図 1-B).また,腫瘍に囊胞成分を認めることもある.腫瘍が大きい場合,反対側に認めるような脳幹~内耳道にかけての聴神経および顔面神経の同定は困難である.無症状で腫瘍サイズが小さいものは経過観察することが多い.腫瘍サイズが大きく脳幹や小脳などへの圧排が強い場合は開頭腫瘍摘出術を検討する.ただし,手術に際して聴力障害や顔面神経麻痺を合併することがあり,患者の年齢や症状などふまえて慎重に検討すべきである.腫瘍が図 1 聴神経鞘腫A:CT 画像(水平断).左内耳道が拡大している(➡).B: 造影 MRI 画像(水平断).小脳橋角部~内耳道にかけて不均一に造影される聴神経鞘腫(○)画像の特徴治療と経過E | 脳 腫 瘍Part 4|頭部の疾 患と障害の画像評価を理 解 しようAB5 神経鞘腫

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