2674リハビリテーションに役立つ画像の見かたガイド
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2)1)3)205鎖骨骨折は近位端・骨幹部・遠位端に分けられ,骨幹部骨折の頻度が最も高い患者の症状から骨折を疑い,単純 X 線 2 方向(正面像と約 20°尾頭方向からの斜位像)で診断する(図 1).転位の方向や第三骨片の有無など詳細な評価には CT が有用である. 2 肩鎖 関 節脱臼肩鎖関節は鎖骨と肩甲骨を連結する部位であり,肩鎖靭帯と 2 本の烏口鎖骨靭帯により安定性が得られている.これらの靭帯損傷が肩鎖関節脱臼の病態でありは脱臼位のままとなる.肩鎖関節 2 方向の単純 X 線画像により診断が可能である.両側を同時に撮影した胸部正面像を用いると左右差を比較できる(図 2). 3 肩関 節 脱臼単純 X 線で肩甲骨関節窩と上腕骨頭の対向が得られていないことにより脱臼を診断する(図3).ほとんどは前方脱臼である.上腕骨近位部や肩甲骨関節窩の骨折を合併することがあり,また特に後方脱臼は見逃されやすい.疑わしい症例では CT 撮影を行う.骨幹部骨折は骨癒合しやすく,おもに保存的に加療される.転位のある骨折では癒合不全や変形治癒を生じることがあり近位端および遠位端骨折は骨癒合が得られづらく,年齢・活動性・転位の程度などを総合的に判断して治療方針を決める. 2 肩鎖 関 節脱 臼治療に関してはいまだ議論が分かれており,患者の活動性を考慮したうえで治療方針を決める.一般に転位が大きくない症例や,中高年に発生した症例では保存治療が選択され,転位の大きな若年発生例では手術治療が検討される. 3 肩関 節 脱臼脱臼の診断がついた場合にはなるべく早期に整復を行う.初回脱臼はおもに保存的に治療され,,上肢重量により肩鎖関節.画像の特徴 1 鎖骨 骨 折治療と経過 1 鎖骨 骨 折Part 5|運動 器・呼吸 器・循環器系 の疾患と障害の画像 評価を理 解し よう,若年者では手術治療を検討する.B | 上 肢脱臼・肩関節脱臼1 鎖骨骨折・肩鎖関節

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