Part運動器・呼吸器・循環器系の疾患と障害の画像評価を理解しよう4)AB5 図 3 肩関節前方脱臼の単純 X 線画像正面像(A)で関節が対向していないことがわかり(⇨),肩甲骨 Y 像(B)で前方脱臼が認められる(➡).約 3 週間は三角巾などで安静とする.比較的早期に日常生活へ復帰できるが,スポーツ活動や重労働の完全復帰には,少なくとも骨癒合が得られる 3 か月が必要である.骨癒合が得られれば,肩関節機能の完全回復が期待できる.ただし,骨癒合が得られなくても可動域制限をきたすことは少ない. 2 肩鎖 関 節脱 臼保存治療は脱臼位のままであり,安定性と可動性を周囲組織が代償する形となる.一般に可動域制限は残らないが,重労働やウエイトトレーニングなどに支障が残る可能性がある.手術治療では断裂した靭帯の修復や再建を行い,受傷前の状態への回復を目指す.初回脱臼時に多くの症例で関節唇損傷を生じている.特に若年者では高率に反復性へ移行し,肩関節不安定症をきたすことがあるB |上肢 1 鎖骨骨折・肩鎖関節脱臼・肩関節脱臼207 .反復性に移行し,支障が残った場合は手術治療を検討する.機能予後と所見 1 鎖骨 骨 折 3 肩関 節 脱臼
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