2678性感染症ナビ
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OHIV感染症Ⅰ 診 断219 ●●第 4 世代 HIV 検査 17 日程度第 3 世代抗体検査第 1/2 世代抗体検査ウインドウ期RNA ウイルス量P24抗原0X5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 80 85 90感染後診断までの日数(日)核酸増幅検査 10 日程度22 日程度30 ~ 50 日程度ウエスタンブロット法時間をかけバンドがそろうIgG 抗体IgM 抗体HIV-1 p24 抗原+抗 HIV-1/2 IgG/M 抗体抗 HIV-1/2 IgG/M 抗体抗 HIV-1/2 IgG 抗体図 1 急性期のウイルス,抗原,抗体の推移各検査のウインドウ期は個人差が大きい.ら 3 週間程度で診断できます. 筆者らが経験した急性感染と確定診断のついた 108 例の主な臨床症状を表 1 に示します.ただし,臨床症状から HIV 感染症を疑うことはできても,それのみでは確定診断をつけることはできません. ここで問題となるのが,どのような検査法を用いても,感染からある一定期間は感染の有無を判断できない「ウインドウ期(window period)」の存在です(図 1).これまで,この期間をできるだけ短くするために,検査法は進歩を遂げてきました.現在のスクリーニング検査では,HIV 1 型(HIV‒1)の P24 抗原と抗体を同時に測定し,かつ HIV‒1 と HIV 2 型(HIV‒2)を同時に検出する第 4 世代検査キットを用いた方法が主流となっています.第 4 世代検査キットであれば,感染機会か スクリーニング検査で陽性を示した場合,診断の確定と HIV‒1 と HIV‒2 を鑑別するための検査[イムノクロマトグラフィー(immunochromatography:IC)法]や核酸増幅検査(nucleic acid amplification test:NAAT)によって確定診断を行います.NAAT のみでは HIV‒2 を見落とすことがあるので注意しましょう.かつて確認検査として行われていたウエスタンブロット法(western blotting)は,感度が低く,また HIV‒2 の疑陽性が出やすいため,現在では推奨されていません. 繰り返しになりますが,どのような検査法を用いても,ウインドウ期間は必ず存在します.臨床症状があり,急性 HIV 感染症が疑われる際には,たとえ第 4 世

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