2678性感染症ナビ
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O34 HIV 感染症表 5 PrEP と PEP の比較●● 232 包括的 STI 予防PrEP と PEP服用タイミング・ デイリー:1 日 1 回 1 錠内服・ オンデマンド:特定の条件下で性行為前後に服用(性行為の 2~24 時間前に 2 錠,その24 時間後,48 時間後に各 1 錠の計 4 錠内服)曝露後 72 時間以内に,推奨される薬剤を一定期間服用(通常 28日間)(岡 慎一)目的曝露前の HIV 感染予防曝露後の HIV 感染予防(緊急的な対応)・職業的 PEP(oPEP)・非職業的 PEP(nPEP)することで,HIV を含む多くの性感染症(sexually transmitted infections:STI)の感染リスクを低減します.歴史的には,タイなどで,コンドームの使用により HIV感染を減少させた実績があります. 現在,世界的には PrEP が重要な予防戦略として位置づけられていますが,わが国ではコンドームによる予防が推奨されています.しかし,コンドームの使用は相手に主体性があるため,予防したい本人は受け身の立場になってしまいます. HIV 感染症は STI の 1 つであり,HIV 感染のみを予防すればよいというわけではありません.大切なのは,性交の経路は腟だけでなく,肛門や口腔の場合もあることを認識し,どの経路においても感染リスクがあることを理解することです.予防に関する議論にタブーはなく,様々な STI 予防法のメリットとデメリットを理解し,パッケージとして利用することが求められます. PrEP と曝露後予防(post‒exposure prophylaxis:PEP)(ペップ)は,いずれも薬剤を用いて HIV 感染を防ぐ方法です(表 5).世界ではきわめて重要な予防戦略と位予防法対象者曝露前予防(PrEP)HIV 未感染者で感染リスクの高い者曝露後予防(PEP)HIV に曝露した可能性のある者

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