Ⅰ1 Qジェンダー医療“AFAB／AMAB”，“FtM／MtF”―用語について 感染リスクと予防273 ●●トランスジェンダーの感染予防a 曝露前予防（PrEP）PrEP）の認知度が向上し，マッチングアプリのプロフィール欄に PrEP に関する項10% に留まりました．内訳として，出生時に割り当てられた性別が男性（AMAB：assigned male at birth）は 13%，出生時に割り当てられた性別が女性（AFAB：assigned female at birth）では 9.4% でした1）． 「コンドーム＝避妊具」と捉え，「自分は避妊の必要がないのでコンドームを使ちょっと（池袋 真）尊重と誠実な対応を基本とすることが重要です． 近年，MSM コミュニティを中心に，曝露前予防（pre‒exposure prophylaxis：目が設けられるなど，その利用が普及しつつあります．しかしながら，トランスジェンダーの人々における PrEP の認知度は十分とはいえません．トランスジェンダーの人々を対象とした調査では，HIV 予防薬である PrEP の認知度は全体でb コンドーム用しない」と考える人がいます．その典型的な例を以下に示します．ヨリミチ “AFAB（assigned female at birth）”と“AMAB（assigned male at birth）”は，生まれたときに割り当てられた性別を示す用語です．具体的に，AFAB は「出生時に割り当てられた性別が女性」，AMAB は「出生時に割り当てられた性別が男性」を指します．これらは，性自認に関わらず，すべての人に適用できる包括的な表現として広く用いられます．従来の“FtM（female tomale）”，“MtF（male to female）”は，性別を男女二元論に限定する傾向があり，多様な性自認を包含できないという問題点がありました．AFAB/AMAB は出生時に割り当てられた性別を示すのみで，性自認や性表現を限定しないため，より包括的な概念です． 出生時の性別を示すための重要な用語であり，医療従事者をはじめとする支援者はその意味と背景を正しく理解しておくことが求められます．
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