Ⅱ疹2A梅 病 期表 2 梅毒の各病期における臨床症状第 1 期 硬性下疳(無痛性潰瘍を伴うしこり),所属リンパ節腫脹第 2 期 バラ疹(手掌・足底,全身の発疹),梅毒性乾癬,梅毒性脱毛症,丘疹性梅毒第 3 期 心血管疾患(大動脈炎,大動脈瘤等),神経系疾患(神経梅毒),ゴム腫図 3 第 1 期梅毒男性の陰部,亀頭部の下(環状溝)にできた硬性下疳.(パーソナルヘルスクリニック提供)→口絵 15 ●●第 2 期梅毒(secondary syphilis)病期潜伏梅毒 無症状(早期:感染後 1 年未満,後期:感染後 1 年以上または感染時期不明)先天梅毒 死産,早産,新生児死亡,知的障害,感覚障害など神経梅毒 髄膜炎,眼梅毒,進行麻痺,脊髄癆,髄膜血管梅毒など 感染後 3 か月頃から,「バラ疹(roseola syphilitica)」と呼ばれる特徴的な発疹が手掌・足底,全身に出現します(図 4).全身性の発疹であるため,この時期に初めて異変に気づき受診する患者も少なくありません.手足口病を除き,感染症で手掌・足底に発疹が現れることは稀であるため,成人の手掌・足底に発疹を認めた場合は,まず梅毒を疑う必要があります. 未治療の場合,バラ疹に続いて梅毒性乾癬,梅毒性脱毛症,丘疹性梅毒疹などが現れることがあります.これらの皮疹も通常,痛みやかゆみを伴いません.発臨床症状 毒
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