2678性感染症ナビ
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Ⅱ2B淋菌感染症(淋病)*1: 腟,子宮,外陰部からの分泌物.いわゆる「おりもの(leukorrhea)」. 診 断図 6 女性における性器の淋菌感染症の進展づかないほど無症状のことも多く,感染に気づきにくいことが問題です.帯下の変化は,量が増加するだけでなく,色(黄色~黄緑色)や性状(膿性等)が変化することもあります.子宮頸管炎は,クラミジア感染症,細菌性腟症,腟カンジダ症などとの鑑別が必要です.放置すると,子宮頸管炎,子宮内膜炎,卵管炎などを引き起こし,骨盤内炎症性疾患(pelvic inflammatory disease:PID)や不妊,異所性妊娠,慢性骨盤痛などの後遺症を残す可能性があります(図 6). そのほか,咽頭の淋菌感染症は口腔性交によって感染します.多くは無症状ですが,咽頭痛,嚥下痛,咽頭の発赤,扁桃の腫張などを伴うことがあります.直腸・肛門の淋菌感染症は肛門性交によって感染します.肛門痛,排便痛,直腸からの分泌物,便秘,しぶり腹(テネスムス)などの症状がみられることがありますが,無症状のことも多いです. 臨床診断だけでなく,微生物学的診断が必須です.また,淋菌感染症の診断や検査を行う場合,クラミジア感染症の検査も同時に行うべきです.重複感染は高31 ●●検査異所性妊娠不妊症上行感染卵管炎卵管子宮卵巣炎腟内骨盤腹膜炎肝周囲炎子宮内膜炎子宮頸管炎淋菌

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