2684ダウン症児の学びとコミュニケーション支援ガイド 改訂第2版
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56 歩行獲得を目標に,姿勢・運動発達を支えるために赤ちゃん体操を行います.また,椅子座位での姿勢や食事のための道具に気をつけることで,赤ちゃんが自分で食べる力を育てます.この時期は運動発達の促進と並行して,言語・コミュニケーションの基礎づくりのときでもあります.大人が赤ちゃんの視線や発声,行動を見逃さず反応することで,赤ちゃんは大人が反応してくれる存在であることに気づき,信頼関係が育ちます.その信頼関係は,のちの言語・コミュニケーションの意欲につながります.a指導の形態 赤ちゃん体操教室は,体操指導を担当する医師と赤ちゃん体操指導員,摂食指導を行う言語聴覚士(ST),手の使い方の指導を行う作業療法士(OT)が担当します.それぞれ個別に指導を行いますが,情報を共有し連携しています.また,指導の前後に保護者が待機する待合室では,言語・コミュニケーションの指導を専門とするSTが,やりとりや遊び方についてのアドバイスを行います.b指導の内容 体操指導は,「ダウン症児の赤ちゃん体操」1)にもとづいて行っていますが,タンポポ教室(「大阪医科薬科大学LDセンター タンポポ教室の取り組み」,p.48〜51参照)では,ダウン症児の姿勢や運動発達の特徴をふまえ,将来の言語・コミュニケーション,集団参加,余暇活動,就労などに必要な能力も意識しながら,体操指導を行っています.また,コミュニケーションについてのアドバイスは,次の「ことばとリズム」のクラスにもつながっています. 次項では,体操指導とコミュニケーションについて,赤ちゃん体操教室で意識しているポイントをご紹介します.11 はじめに初期の発達を支える: 初期の発達を支える: 赤ちゃん体操教室赤ちゃん体操教室22B 日常生活における学びとコミュニケーションPOINTPOINT姿勢を保持する力と移動手段の獲得を目指す.姿勢を安定させ,両手を協調的に使えるようにする.自分で食べる力を育てる.やりとりの楽しさを教える.1234

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