1NIPT ●非侵襲性出生前遺伝学的検査(NIPT)にはおもに3つの検査方法があり,それぞれの検査の解 ●NIPTはおもに絨毛由来のDNAを検出するものであり,胎児と全く同じ遺伝学的検査の結果を ●日本医学会に出生前検査認証制度等運営委員会が設置され,その認証のもとに現在NIPTが行Check!Key Point!はじめに 出生前に行う遺伝学的検査とは,ヒト生殖細胞系列における遺伝子変異もしくは染色体異常,先天異常に関する検査,あるいはそれらに関連する検査であり,染色体検査,遺伝生化学的検査,遺伝子診断・検査などが該当する.妊娠中に胎児が何らかの疾患に罹患していると思われる場合に,その正確な病態を知る目的で検査を実施し,診断を行うことが出生前に行われる遺伝学的検査および診断の基本的な概念である1).出生前診断の対象となる疾患は多数あるが,妊娠初期から中期にかけて行われる出生前遺伝学的検査の対象となるおもなものに染色体疾患があげられる.1970年代より羊水染色体検査が行われるようになってきた.これら胎児の確定的な遺伝学的検査(染色体検査を含む)を行うためには,羊水細胞,絨毛細胞,胎児血液細胞が必要であり,これらのサンプルを得るためには,侵襲的な手技を必要cfDNAプラズマ単核細胞胎児細胞①有核赤血球②絨毛細胞③白血球現時点では臨床応用されていない母体血おもな3つの検査方法①shotgun-massively parallel sequencing(s-MPS)②targeted-massively parallel sequencing(t-MPS)③single nucleotide polymorphism(SNP)密度勾配非侵襲性出生前遺伝学的検査の結果発症予知・胎盤機能評価の研究などにも使用される赤血球比重遠沈後Part 2 出生前・出生後検査図 非侵襲性出生前遺伝学的検査(NIPT)の模式図釈には注意を要する.示すものではない.われている.42
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