2691肝臓まるかじり
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A インターベンション,内科的治療Focus Point治療対象疾患禁忌と副作用(BRTO)● 胃腎シャント  ● 脾腎シャント  ● CARTO◆ BRTO の主な適応は,孤立性胃静脈瘤および肝性脳症である.◆ 異所性静脈瘤(十二指腸静脈瘤,直腸静脈瘤)には,BRTO や場合により経皮◆ 肝性脳症においては,内科的治療に抵抗し,かつシャント径が 8 mm 以上で経肝的塞栓術(PTO)が必要となる.ある場合に BRTO が適応となる.neous transhepatic obliteration:PTO)併用が必要となる場合もある.ト塞栓術Focus Word バルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術(balloon occluded retrograde transvenous oblit-eration:BRTO)は,1990 年に金川らにより考案・開発された,わが国オリジナルの門脈圧亢進症治療手技である1).当初は孤立性胃静脈瘤に対する治療法として確立されたが,硬化剤であるモノエタノールアミンオレイン酸塩(ethanolamine oleate:EO)のカテーテル注入は長らく未承認であった.2015 年度に医師主導治験が前向きに実施され2),2017 年に薬事承認を取得し,2018 年 4 月には保険収載(K668‒2:31,720点)された.ただし,5 例以上の施行経験医在籍などの施設基準が設けられている. 門脈大循環シャントを有する以下の疾患が対象である.① 孤立性胃静脈瘤:胃腎シャント,あるいは左下横隔膜シャントを有する症例② 肝性脳症:脾腎シャントや性腺静脈(卵巣静脈・精巣静脈)シャントを伴う症例③ 異所性静脈瘤(十二指腸・直腸静脈瘤):BRTO または経皮経肝的塞栓術(percuta-④ その他:吻合部静脈瘤やストーマ周囲静脈瘤,また肝細胞がん手術前にインドシアニングリーン 15 分停滞率(ICG‒R15)を 30% 以下に低下させる目的でのシャン すなわち,巨大な排血路シャントが主病因であり,バルーン閉塞下での塞栓術により解剖学的・臨床的改善が見込まれる病態が適応となる. 禁忌は,Alb 値 3 g/dL 未満の低 Alb 血症を伴う腹水合併例,および Plt 3 万/μL 未満の症例である.2533 バルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術

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