2692心不全治療薬レベルアップセミナー
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ループ利尿薬の使いドコロ1心不全急性期の体液過剰是正のために使用します.長期予後を改善するエビデンスはなく,慢性期には必要最低限の使用を心がけます.ループ利尿薬の作用機序2ループ利尿薬は,血液中でアルブミンと結合した状態で近位尿細管に運ばれ,尿細管上皮細胞を経由して尿細管腔内に分泌されます.ヘンレループのNa+K+2Cl-共輸送体を阻害することで,NaやClの再吸収を阻害します.Naは水と一緒に移動することから,Naの再吸収を阻害することで水分の再吸収を抑え,尿中から水分を排泄します(図1) .加えて,ヘンレループにおいてNaの再吸収を抑制することで髄質の浸透圧が上がらないようにして,集合管での水の再吸収を抑制する効果があります 1, 2).図1ループ利尿薬の作用機序(大塚製薬:サムスカⓇ医薬品インタビューフォーム)K+K+糸球体サイアザイド系利尿薬近位尿細管ヘンレループヘンレループ太い上行脚皮質集合管遠位曲尿細管髄質集合管腎盃腎盃●作用部位 遠位尿細管ループ利尿薬●作用部位 ヘンレ上行脚MR拮抗薬(カリウム保持性利尿薬)●作用部位 集合管アルドステロンH2OH2OH2ONa+Na+Na+Na+2Cl+K+K+Cl-H+H2Oトルバプタンバソプレシンアクアポリン-2V2受容体バソプレシンV2受容体拮抗薬●作用部位 集合管レベル1:絶対に使いこなせるようになりたい急性期の薬剤:3 ループ利尿薬25

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