定型発達児3こどもの栄養管理の基本上から下に順に,「しかたがないから」選択する.「できることなら」上のものを選択する.三択ではなく,一部でも可能ならば上のものを使う.ここでも,上から下に順に,「しかたがないから」選択する.「できることなら」上のものを使う.Point 栄養は健康を維持・回復するために,その土台となるものである.こどもは成長・発達するものであるので,それが維持できているかどうかを評価することで,栄養が適切であるかを把握することが基本である.また,そもそも食べることは,生きるためのエネルギーの源,栄養としての意味あい(身体的側面)のみならず,生きる楽しみを感じる時間であり(心理的側面),家族や仲間とのふれあいの場でもある(社会的側面). そのうえで,栄養管理を行うにあたっては,どこから(経路),なにを(内容),どれくらい(量),の3ステップで考える.いずれも本来あるべき理想的な姿と,そうできない事情がある場合には,次善の策として何が選択できるか(「しかたがないから」と「できることなら」を常にセットで),を考える作業となる(表1).1.どこから(経路)経口摂取(摂食) 口から食べるのが原則経管栄養(経腸栄養) 食べられない場合は経管静脈栄養 腸が使えない場合は静脈2.なにを(内容)ふつうの食品 これが原則どろどろの食品 ミキサー食 栄養剤の半固形化半消化態栄養剤 たんぱく質をやや消化させた栄養剤消化態栄養剤 たんぱく質をペプチドに分解した栄養剤(成分栄養剤に近い)成分栄養剤 たんぱく質をアミノ酸に分解した栄養剤輸液製剤 静脈から投与するもの3.どれくらい(量)まず水分とエネルギーを決める.エネルギー産生栄養素はたんぱく質/脂質/糖の比(PFC).その他の栄養素は,ミネラル/ビタミン/食物繊維など.27 表1 栄養管理の3ステップB 定型発達児 ▶栄養は健康を維持・回復するために,その土台となるものである. ▶栄養管理は,どこから,なにを,どのくらいの3ステップで考える. ▶量はまず水分とエネルギーを決め,たんぱく質,脂質,糖の比を決めて,ミネラル,ビタミン,食物繊維などが適正か判断する.B
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