Q01146はじめに話がとまらない背景(図1)Chapter 55Chapter 診察室での困りごと・話がとまらない背景にある要因(発達特性,感情など)を考える.・4つのステップによる対話の流れを意識する.・限られた時間のなかでできる限りのことをするという心構えを大切にしながら,時間の枠も意識する. 話がとまらないADHD児,養育者の発達的な要因,感情的な背景を評価し,話がとまらない理由に応じて対応します.「気持ちをわかってもらえた」というステップを踏むことが大切です. ADHDの診療をしていると,ADHD児,養育者の話がとまらずにどうしようかと思案することがある.話がとまらない背景や理由について慮りながら,限られた診療時間のなかでどのように対応するのがよいかを考えたい. ADHD児はしばしば話がとまらない.「多動性」にはしゃべりすぎることも含まれることがDSM—5—TR1)にも記載されているとおり,話がとまらないこと自体が発達特性なのである.話題が転導しやすくまとまりがなくなりがちということもしばしば経験する.診察室という普段とは異なる場で,はじめて出会った医師が相手でも,初診時から緊張せずに人懐こくよくおしゃべりする 1 発達的な要因POINTA話がとまらないADHD児,養育者への上手な対応方法はありますか?
元のページ ../index.html#6