2705これからの5歳児健診
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やってみよう5歳児健診337目番号20と同時に項目番号21,22もあてはまる場合は,いわゆる「よい子」として過剰適応している場合があり,注意が必要です.項目番号20はあてはまらず,項目番号22があてはまる場合は,他者への関心が乏しい,特定の遊びに強いこだわりがあるなどの特徴の有無や,集団活動への適応状況を確認しましょう.また,言葉の発達や知的能力の発達が遅れている場合,本人は友達とのかかわりを求めているけれども仲間に入れていないということもあります.「1人でいるのが好き」と決めつけていないか,本人の困り感や複数の場面について尋ねるとよいでしょう.4.生活習慣に関する設問1)運動,食事,歯磨き,排便などの習慣24.外で体を動かす遊びをしますか.25.朝食を毎日食べますか.26.ふだん大人を含む家族で一緒に食事を食べますか.27.保護者が,毎日,仕上げ磨きをしていますか.28.うんちをひとりでしますか.5歳頃は,全身を使った運動がそれまでより滑らかで巧みに行えるようになり,全力で走ったり,跳んだりすることに心地よさを感じるようになります.こども自身が,挑戦してみたいと思えるように組みあわせた動きが含まれる遊びに取り組んでいくことで,「体のバランスをとる動き」「体を移動する動き」「用具などを操作する動き」がより滑らかに遂行できるようになるといわれています32).そのため,遊具を用いた複雑な動きが含まれる遊びや,様々なルールのある遊びなど,外遊びの経験が有用です.就学に向けて,体を動かす遊びや日常生活のなかで多様な動きを自然に身につけていけるような実践が求められます.就寝時間が遅くなると朝食を欠食する頻度が高くなるといわれており,早寝早起きや朝食摂取の習慣などは,就学に向けた生活リズムの確立に重要な要素となります.また,誰かと食事をともにする「共食」は,食習慣の確立,適切な量・質・バランスの摂取,食卓でのコミュニケーションなどにプラスに働きます33).5歳になると食事の習慣として,箸の使い方が上達してほとんどこぼさなくなり,着席して最後まで食事をとり,食べることと話すことを調和させて食卓での会話もできるようになります.仕上げ磨きは学童期まで必要とされています.乳歯と永久歯が混在する混合歯列期であり,歯ブラシの使い方が未熟な状態では磨き残しが生じやすく,生えたての永久歯は歯の質が弱く,う歯になりやすいなどの理由があげられます.多数の未処置のう蝕や歯

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