Part1 プレコンセプションケアを知る解説プレコンセプションケアは2006年，米国疾病予防管理センター（Centers for Disease Control and Prevention：CDC）により「"女性"の医学的，行動的，社会的リスクに介入し妊娠関連のアウトカムを改善する取り組み」として提唱された．2012年には世界保健機関（World Health Organization：WHO）が，「"妊娠前の女性とカップル"に医学的，行動的，社会的な保健介入を行うこと」と定義している．特に，2013年のWHOの提言ではプレコンセプションケアを以下のように定義した：①妊娠前の女性やカップルに生物医学的，行動学的，社会的な健康介入を行うこと．②女性の健康状態を改善し，母子の健康状態の悪化につながる行動や個人的・環境的要因を減らすこと．③究極の目的は，短期的にも長期的にも母子の健康を改善すること 1）．また，日本では，2020年に「成育医療等基本方針」の中で初めてプレコンセプションケアという文言が登場し，「男女を問わず，相談支援や健診等を通じ，将来の妊娠のための健康管理に関する情報提供を推進する」と定められている．さらに2023年3月の改正で，「不妊，予期せぬ妊娠，性感染症等への適切な相談支援や，妊娠・出産，産後の健康管理に係る支援を行うため，男女ともに性や妊娠に関する正しい知プレコンセプションケアとは何ですか？Q1 コンセプション（conception）は受胎を意味し，プレ（pre）の接頭語がつくことで，プレコンセプション（preconception）は受胎前となります．またケア（care）を管理とすると，プレコンセプションケア（preconcep-tion care）とは，将来の妊娠を考えながら女性やカップルが自分たちの生活や健康に向き合うことを意味します．A002
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