2708上手なステロイドの使い方Q&A
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1短時間型:ヒドロコルチゾン,コルチゾン2中間型:プレドニゾロン,prednison,メチルプレドニゾロン,トリアムシノロン8 4倍のグルココルチコイド作用がある.プレドニゾロンなどが効かない場合,コルチゾールは内因性グルココルチコイドである.ヒドロコルチゾン(コートリル®)やコルチゾン(コートン®)はステロイド長期投与患者に対して,ステロイドカバー(手術や感染などに伴うストレスに対する急性副腎不全の予防対策)を行う際に用いられる.投与量は侵襲の程度による.グルココルチコイド作用に加え,ミネラルコルチコイド作用も強く有するため,膠原病などの治療には不向きである.副腎不全の補充療法によく使われる.わが国ではプレドニゾロン(プレドニン®),欧米ではprednison(本邦未承認)が,半減期が適度なためよく使われる.プレドニゾロンはコルチゾールの同力価のほかのステロイドに変更することで,効果を示すことがある.メチルプレドニゾロン(メドロール®)は,グルココルチコイド作用がコルチゾールの5倍で,ミネラルコルチコイド作用はプレドニゾロンに比べて弱いため,ステロイドパルス療法などの超大量投与が可能である(グルココルチコイド活性に基づく対応表はQ35表2参照).表2 ステロイドの作用時間別の特徴作用時間ステロイドカバーには最適であるが,ミネラルコルチコイド作用が強いため,免疫抑制・抗炎症作用を目的とした治療には適さない.アレルギー治療に用いられることもある.短時間型膠原病や悪性腫瘍など標準的治療に最も多く使われる.ミネラルコルチコイド作用は短時間型と同等もしくはやや弱い程度で,大量投与時には副作用に注意が必要である.中間型グルココルチコイド作用が強い.ミネラルコルチコイド作用はほとんどない.長期投与の際に,短時間型より副作用が顕著に発現しやすい.長時間型特徴

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