2708上手なステロイドの使い方Q&A
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▼ステロイド処方の基本る4).Part2 具体的な日周期リズム3 超日リズム(ウルトラディアンリズム)とは健康人の体温や血中ホルモンレベルを連続して測定すると,24時間周期の変動がみられる.直腸温は午前から午後にかけて上昇し,16時頃に最高値に達した後,徐々に低下していき,4時頃最低値をとる.健康人では,コルチゾールは6時から9時にかけピークとなり,12時間から16時間かけて徐々に低下していき,20時から翌2時に最低値となる2, 3)(詳細はQ50図1参照).コルチゾールは深部体温リズムによって調節されており,たとえば深部体温は睡眠直前から低下し始め,メラトニンの分泌が始まる.睡眠前半には成長ホルモンの分泌があり,睡眠後半から目覚める時間にかけ,コルチゾールが分泌される.体温低下やメラトニンの分泌は睡眠の導入を用意し,成長ホルモンの分泌により睡眠中に細胞分化や成長が促進される.睡眠中は外部からエネルギー源が供給されないため,コルチゾールは糖新生を促進することにより,早朝の低血糖値を防ぐ1).このような概日リズムの変化に加え,多くのホルモンは数十分から数時間間隔のパルス状分泌(超日リズム)も生じる.副腎皮質刺激ホルモン(adrenocorticotropic hormone:ACTH),コルチゾール以外にも,ゴナドトロピンや成長ホルモンがパルス状分泌を生じることが知られている1).また,体内時計,交感神経系およびグルココルチコイドがリンパ球のリンパ器官への集積を誘導して,免疫応答機能を高める働きがあることも知られてい1 ステロイドとはそもそも何者なのか 5

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