2709小児泌尿器疾患マニュアル
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3)尿潜血ペルオキシダーゼ活性を利用しており,Hbやミオグロビンが存在すれば尿中赤血球がなくても陽性となる.Hb尿は溶血がある場合に,またミオグロビン尿はけいれん重積や横紋筋融解症の場合にみられる.尿潜血(1+)はHb濃度0.06 mg/dLまたは赤血球20個/μL,沈渣で5個/HPF(high power field,400倍強拡大1視野)に相当するよう標準化されている6).陽性例は後述の尿中赤血球の確認を行う.4)尿糖・ケトン体血中のグルコースは糸球体で濾過された後,近位尿細管でほとんどが再吸収される.尿糖が陽性となるのは,高血糖により原尿中のグルコースが尿細管の再吸収閾値を超えた場合(一過性高血糖や糖尿病),もしくは尿細管でのグルコース再吸収障害がある場合(Fanconi症候群や間質性腎炎,腎性糖尿)である.尿糖を認めたら同時に血糖値も確認する必要がある.ケトン体は脂肪酸代謝産物で,グルコース摂取ができない場合,あるいは糖尿①②③図1 血尿の外観[口絵カラー19参照]正常尿と肉眼的血尿の外観①正常尿.②非糸球体性血尿.③ 糸球体性血尿.コーラ色またはウーロン茶色を呈することが多い.〔厚生労働行政推進調査事業補助金「腎疾患対策検討会報告書に基づく対策の進□管理および新たな対策の提言に資するエビデンス構築」班(研究代表者 柏原直樹):小児慢性腎臓病患者のための移行期医療支援ツール・おしっこ(尿)と腎臓の不思議.25,2021〕70Overview 異常な尿の見分け方

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