2711向精神薬を紐解く
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第1章抗精神病薬表 20 非定型抗精神病薬の血中濃度測定の推奨度表 21 クロザピンの血中濃度と対応法● 現在,日本で使われている非定型抗精神病薬②(注射薬)(Schoretsanitis G, et al.:J Clin Psychiatry 83:22ac14500:2022) 非定型抗精神病薬の注射薬は,筋注用がオランザピン 1 種(発売年 2012 年),持効性注射剤(LAI)が 3 種(2009~2015 年)ある(表 22,表 23).リスペリドン LAI の注射針は太いため,注射部位は臀部に限られるが,その他の LAI は三角筋または臀部に筋注する. ハロペリドール,リスペリドン,アリピプラゾールは CYP2D6 で代謝され,白人では CYP2D6 のpoor metabolizer が 5~10%と高頻度であることから,LAI の血中濃度の変動要因として重視されている.しかし,日本人では CYP2D6 の poor metabolizer は 1%以下である.パリペリドン LAI(ゼプリオン®,ゼプリオン® TRI)は腎代謝のため,中等度から重度の腎機能障害患者(クレアチニン・クリアランス 50 mL/分未満)には禁忌である.47推奨度強い中等度低い血中濃度<350 ng/mL350~600 ng/mL600~1,000 ng/mL>1,000 ng/mL 以上 警告値であり,1,000 ng/mL 以内まで減量,抗発作薬(抗てんかん薬)の予防投与一般名350~600クロザピンオランザピン20~80リスペリドン20~60パリペリドン20~60クエチアピン100~500アリピプラゾール100~350ルラシドン15~40ブレクスピプラゾール 40~140アセナピン1~5反応があり,副作用がなければ同用量維持反応があり,副作用があれば減量反応がなければ,350 ng/mL 以上まで増量反応があり,副作用がなければ同用量維持反応があり,副作用があれば 350 ng/mL 以上まで減量反応がなければ,600 ng/mL まで増量反応があり,副作用がなければ同用量維持,抗発作薬(抗てんかん薬)の予防投与を検討反応があり,副作用があれば 600 ng/mL 以下まで減量反応がなければ,減量・中止を検討参照血中濃度(ng/mL) 警告値(ng/mL)1,0001001201201,0001,00012028010対応非定型抗精神病薬〈各論〉

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