2718みんなの腹膜透析
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⁃CKD 特有の合併症である腎性貧血,CKD-MBD の治療薬にもさまざまな選択肢がある.⁃血圧管理,体液管理は重要であり,適宜,降圧薬や利尿薬を用いる.なかには降圧を目的としてではなく,慢性心不全治療目的に用いられるものもある.◆赤血球造血刺激因子製剤(erythropoiesis-stimulating agent:ESA)は,腎機能の低下に伴い十分な量ではなくなったエリスロポエチンの分泌を補い,骨髄中で赤血球のもとになる細胞を刺激して赤血球を増やすことで腎性貧血を改善する注射薬です◆腹膜透析(peritoneal dialysis:PD)患者さんには,血中半減期を長くしたダルベポエチンアルファ,エポエチンベータペゴルがよく使用されます.b.HIF-PH 阻害薬◆低酸素誘導因子ープロリン水酸化酵素(hypoxia-inducible factor prolyl hydroxylase:◆HIF-PH 阻害薬使用の際の注意事項としては,❶投与中に脳梗塞,心筋梗塞,肺塞栓などの重篤な血栓塞栓症があらわれ,死亡に至るおそれがあること,❷投与開始前に,脳梗塞,心筋梗塞,肺塞栓などの合併症および既往歴の有無などを含めた血栓塞栓症のリスクを評価したうえで,投与の可否を慎重に判断すること,などがあげられます.◆HIF-PH 阻害薬は鉄利用が高まる利点がある反面,注意しないと鉄欠乏に陥りやすいa.赤血球造血刺激因子製剤(ESA)118POINT( 表 1 ).HIF-PH)という物質の働きを阻害することで,腎性貧血を改善する経口薬です( 表 2 ). 1 腎性貧血治療薬(ESA,HIF-PH 阻害薬),鉄剤5薬物療法

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