◆腹膜透析(peritoneal dialysis:PD)は,末期腎不全の際に行われる腎代替療法の 1022⁃医学的側面だけでなく,年齢・性格・ライフスタイルなどもふまえて PDを考慮する.⁃残存腎機能をできるだけ維持することを考慮し,透析導入はまず PD を行う PD ファーストという考え方がある.⁃HD 治療中の患者にも PD 治療という選択肢があることを伝え,希望があればいつでも PD について情報提供する.⁃PD の絶対的禁忌となる病態はほとんどない.つです.患者さん自身の腹膜を透析膜として利用する透析方法で,腹腔内に埋め込まれたカテーテル(管)を通して,滅菌された透析液(PD 液)を注入・貯留します( 図 1 ).貯留している間に血液中の尿毒素や余分な水分が,腹膜を介して PD 液に移動します.カテーテルを通じて腹腔内の PD 液を排液することで,尿毒素と余分な水分を体から排出します( 図 2 ).◆1 日 3~5 回,4~8 時間ごとにバッグ交換を行い,標準は 24 時間連続的に透析を行う治療です.生活のリズムに合わせて自宅や職場で行うことができ,貯留中はバッグを切り離して自由に活動できます( 図 3 ).◆血液透析(hemodialysis:HD)と比較した,PD のメリットとデメリットを 表 1 に示します1).POINTPD のメリット・デメリット-血液透析(HD)との比較 1 腹膜透析(PD)ってどんな治療? 2 4腹膜透析とは?
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